EU、建築物の省エネ化加速を加盟国に義務付けへ=草案

[ブリュッセル 6日 ロイター] – 欧州連合(EU)は気候変動対策の一環として、加盟国に対し、エネルギーを大量消費する建築物の改修を加速し、厳格な省エネルギー基準を満たすよう義務付ける方針。欧州委員会が作成した草案をロイターが確認した。

ビルなど建築物は域内の二酸化炭素(CO2)排出量の3分の1余り、エネルギー消費の4割をそれぞれ占めており、EUの排出削減に向けた取り組みで鍵を握る。

草案によると、加盟国は2024─30年の期間に建築物のエネルギー最終消費量を毎年1.5%削減するための措置を講じるよう求められる。現行基準の0.8%のほぼ2倍に厳格化する。

建築物に断熱材を使用したり、エネルギー効率の高い空調設備を導入するなどの対策が必要になる。

欧州では省エネルギー対策のために改修される建築物は毎年、全体のわずか1%にとどまっている。EUは加盟国が8000億ユーロの復興基金を活用して環境対策の改修事業を相次ぎ実施し、建設部門の雇用創出につなげることを期待している。

草案によると、公共建築物に関して加盟国は毎年、全体の3%を改修し、エネルギーを自給自足する「ゼロ・エネルギー・ビル」に近い状態にすることが義務付けられる。病院や政府機関の建物、学校が含まれ、業界推計によると、年70万棟余りの建築物が改修されることになる。

EUは脱炭素目標の達成に向けた一連の対策案を今月14日に公表する予定で、建築物の省エネ義務化の提案も含まれるとみられるが、内容は発表までに変更される可能性がある。

関連記事
現在、法廷はトランプ前大統領に対し、4月15日にニューヨークで始まった刑事裁判について沈黙しろと命じた。これに対して一部の弁護士は、この命令が違憲であり、言論の自由の侵害であるとしている。
5月6日、フランスのマクロン大統領と欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長はパリで中国共産党党首の習近平と会談し、貿易不均衡とウクライナ戦争に関する懸念を強く伝えた。
習近平のヨーロッパ訪問中、英国防省が中国共産党のハッカー集団によるサイバー攻撃を受けた。
5月3日、「世界報道自由デー」に合わせて、国境なき記者団が報告書を公開した。この報告書では、中国が世界で最も多くの記者を刑務所に送っている国であることが明らかにされている。
新しく就任した米軍のインド太平洋軍司令官、パパロ上将は5月3日、ハワイで開催された司令官交代式において、中共によるインド太平洋地域への侵略と影響力の拡大を「違法であり、脅迫や挑発、欺瞞を伴う行為」と指摘した。