大紀元時報

テキサス保安官「国境危機ではなく、善と悪の戦い」

2021年8月16日 17時58分
ゴリアド郡の境界にある、スペイン語で書かれたカルテルへの警告サイン(ゴリアド保安官事務所)
ゴリアド郡の境界にある、スペイン語で書かれたカルテルへの警告サイン(ゴリアド保安官事務所)

米国国境から200マイル北に位置するテキサス州ゴリアド郡のロイ・ボイド保安官は、スペイン語で書かれた警告標識を郡の境界に設置しました。


標識には「警告! 麻薬人身売買をする業者は、迂回してゴリアド郡に入らないでください」と書かれています。「帰ってください。さもないと、あなたをゴリアド郡の刑務所に入れることになります」


彼はこの標識が効果的だと言っています。標識があるとカルテル(違法組織)の活動が抑えられますが、テキサス州交通局が標識を撤去すると、カルテルの活動が再び活発になるというのです。


ボイド保安官はFacebookに「標識が設置されているときは、ゴリアド郡で監視している13カ所の隠れアジトに活発な動きがないことに気づいた」と投稿しました。ゴリアド郡は4月21日、国境への殺到の影響を受けて地域災害事態を発令しました。

 

ボイド保安官によると、人口7600人の同郡は、カルテルがヒューストン(Houston)に向かう際の不法滞在者の中継地として利用されているといいます。


ボイド保安官は「ゴリアド郡にある一時的な収容所で彼らを降ろした後、ヒューストンの誰かが彼らを拾いに来て、ヒューストンに連れて行き、全米に散らばっていく」とエポック・タイムズ紙に語っています。


ボイド保安官によると、3月、国境から密入国したホンジュラス人女性の遺体が、郡内の私有地の草むらで発見され、また、別の事例では、牧場の古い小屋が、人を密輸するための準備として盗難車を解体するのに使われていたといいます。


国土安全保障調査局(HSI)は現在、ゴリアド郡で大規模な人身売買の拠点を調査しているとのことです。

 

「HSIから聞いたところによると、この地域では史上最大規模の人身売買の捜査になる可能性がある」とボイド保安官は述べました。


人身売買された人々のほとんどは、年季奉公に出されている。私たちの国で奴隷にされているのだ。このようなことが行われていることを、私たちはずっと前から知っていた」


7月28日に開催された米国議会の公聴会で、HSIの国際業務担当副局長代理であるジョン・コンドン氏は、米国への人身売買とそれに関連する犯罪行為によって、カルテルは年間20億~60億ドルの収入を得ていると述べました。

 

2021年7月22日、テキサス州ブラッケットビルでテキサス州知事候補のアレン・ウェスト氏に話しかけるゴリアッド保安官ロイ・ボイド(右)(Charlotte Cuthbertson/The Epoch Times)


州や一部の郡は、国境危機を緩和するためにできることをしていますが、ボイド保安官は、このような行為は国境で食い止める必要があるといいます。


「そのためには、メキシコに対して強硬な態度で臨む必要がある」と述べています。「我々は、カルテルとの提携による利益よりも、合法的な経済的損失の痛みを悪化させなければならない。そのための唯一の方法は、港を閉鎖し、水道の蛇口を閉めるようにカルテルの流入を止めることが必要だ」


ボイド氏によると、近年、同郡で逮捕された不法滞在者は、気づかれずに米国に入国しようと5回も試みていました。


「最初はいかだの故障で乗れなかったそうだ。3回目は、リオグランデ・バレー(Rio Grande Valley)で捕まって強制送還され、メキシコ政府に引き渡された。メキシコ政府は彼女をバスに乗せてモンテレイ(Monterrey)に連れて行き、カルテルに引き渡した」と彼は述べました。

 

「彼女がカルテルにお金を払うたびに、政府にも取り分が入る。だからメキシコ政府は不法滞在者や中央アメリカの人々を喜んでカルテルに送り返している」


テキサス州南部のリオグランデ・バレーは、メキシコとの2000マイルの国境沿いで最も忙しい地域です。今年は、国境を越えた後に自首する前代未聞の数の不法滞在者を処理するために、国境警備隊員は絶えず国境から離れないといけませんでした。


2週間前、リオグランデ・バレーの国境警備隊は、1週間で2万人近くのこのような不法移民を逮捕しました。国境警備隊を回避して、発見されずに消えていく人数を見積もることは不可能です。


ボイド保安官は、2005年から国境問題に取り組んできましたが、「このようなことは前例がない」と語りました。


4月に行われた公開ミーティングで、彼はこう述べていました。「トランプ前政権のときに、国境での問題はほとんどなくなっていた」


しかし、それもあっという間に終わり、今ではパワーアップした方法を用いたカルテルによる西部開拓時代となっています。


ボイド保安官は、現在の問題を国境の危機としてではなく、「善と悪の戦い」と捉えているといいます。


「悪は共産主義であり、カルテルであり、悪は彼らが我々の人生の道に置く麻薬のようなものである」と述べました。


「問題は、善良な人々は悪の存在を認めたがらないことだ。彼らを不快にさせるからだ。私たちが直面しているこの対立の全体像を理解する唯一の方法は、悪が存在することを認識することである。そして、善が立ち上がらなければ、悪に支配されてしまう」


「私は自分の子どもたちに自由に育ってほしいと思っている。実際は社会主義・共産主義国家である偽りの共和国で、育ってほしくないのだ。しかし、私たちは現状、社会主義・共産主義国家になりつつある」


(翻訳者 田中ひろき)

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