中国のシノバック・バイオテック(科興控股生物化学)が開発した新型コロナウイルスワクチンについて、1回目の接種後に顔面神経まひの一種である「ベルまひ」を発症するリスクが高まるという研究結果が、英医学誌ランセットに掲載された。写真は3月5日、インドネシアのシノバックで撮影(2021年 ロイター/Willy Kurniawan)

中国シノバックのワクチン、接種後に顔面まひのリスク上昇=研究

[16日 ロイター] – 中国のシノバック・バイオテック(科興控股生物化学)が開発した新型コロナウイルスワクチンについて、1回目の接種後に顔面神経まひの一種である「ベルまひ」を発症するリスクが高まるという研究結果が、英医学誌ランセットに掲載された。

ただ、「この不活性化ワクチンは有益な効果や保護作用の方が、一般的に自己限定的な有害事象のリスクよりもはるかに大きい」という。

同研究は、香港で45万1000人超を対象に実施し、接種後42日以内の有害事象のリスクを評価。それによると、シノバックのワクチン接種後に臨床的に確認されたベルまひの発症例が28例となり、ファイザー/ビオンテックのワクチン接種後の16例を上回った。

研究は、シノバックのワクチン接種後にベルまひを発症するリスクが全般的に高くなることを示していると分析した。

シノバック幹部は書面で「ワクチン接種後のベル麻痺はまれで、ほとんどの症状は軽度で自然治癒した」と回答。また、シノバックが中国の疾病管理当局や世界保健機関(WHO)ウプサラ・モニタリング・センターなどのデータを分析した結果、ベルまひのリスクは検出していないという。

その上で同幹部は、現在のデータによると、同社製ワクチンの利点と予防効果は、考えられるリスクをはるかに上回っている、と述べた。

関連記事
中国共産党はWHOを代理人とし、米国に対する「ハサミ戦略」を始めるだろう。新たに進められているパンデミック条約がその引き金となる。
韓国最大の太陽光発電メーカーであるハンファ・ソリューションズ傘下のQcellsは中国江蘇省啓東市にある工場を6月30日に永久閉鎖する。
中国共産党の国家安全部が主導する研究機関は、AI技術とビッグデータを利用してカナダの華人議員の個人情報を密かに収集している。
米イエレン財務長官の最近の訪中は、新たな貿易戦争の予兆であるとする見方がある。イエレン氏は中国当局に対し、ダン […]
全世界の軍事費支出が9年連続で増加し、過去最高値を再び更新したことが明らかになった。スウェーデンに本部を置くシンクタンク「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)」が22日(現地時間)に公開した報告書によると、昨年の全世界の軍事費支出規模は約2兆4400億ドル(約772兆円)に達すると集計された。