菅義偉首相は日本時間25日、開催中の国連総会でビデオ形式で演説を行った。月末の退陣を控える首相にとって最後の演説で、今夏開催した東京五輪・パラリンピックについて各国の協力に謝意を示した。写真は9月24日(現地時間)、ニューヨークの国連本部で撮影(2021年 代表撮影)

菅首相、国連総会で東京五輪開催に謝意

[東京 25日 ロイター] – 菅義偉首相は日本時間25日、開催中の国連総会でビデオ形式で演説を行った。月末の退陣を控える首相にとって最後の演説で、今夏開催した東京五輪・パラリンピックについて各国の協力に謝意を示した。

菅首相は、東京五輪・パラリンピックについて「この夏の開催にはさまざまな意見もあったが、招致した開催国として、責任を果たし、やり遂げることができた」と述べた。「感動を届けてくれたアスリートの方々をたたえるとともに、皆様に改めて感謝を申し上げる」とした。

米中のデジタル分野での覇権争いを念頭に「デジタル分野でも、保護主義や内向き志向に対抗するため、信頼性のある自由なデータ流通を実現するためのルールづくりにリーダーシップを発揮していく」と強調。「自由で公正な、安全なサイバー空間の実現に向けて、国連をはじめ、多国間の議論に建設的に貢献するとともに、東南アジア諸国連合(ASEAN)などへの支援も実施する」と述べた。

アフガニスタン情勢にも言及し、「再びテロの温床になることを食い止めなければならない。人道支援機関の安全な活動を確保し、女性などの権利を守ることが重要」と指摘、「タリバンがこれまで公言した約束を守るか否か、言葉ではなく行動を見て行く」と語った。

北朝鮮については「先般の弾道ミサイル発射は、安保理決議の明白な違反である」と非難し、拉致問題の解決には「一刻の猶予もない」とした。その上で「日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、国交正常化を目指す」との従来方針を繰り返した。

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