ベネズエラで29日発表された2020/21年の「生活状況に関する全国調査」で、同国人口の4分の3前後が極貧状態にあることが分かった。写真はカラカス近郊のスクレにある、家賃が払えなくなった家族が生活する空き地で昨年6月撮影(2021年 ロイター/Manaure Quintero)

ベネズエラ極貧率、76.6%に上昇 コロナ禍と失業で無気力蔓延

[カラカス 29日 ロイター] – ベネズエラで29日発表された2020/21年の「生活状況に関する全国調査」で、同国人口の4分の3前後が極貧状態にあることが分かった。同国では、ハイパーインフレによる経済崩壊が7年にわたり続いている。

調査は、アンドレス・ベロ・カトリック大学の研究者らが実施。それによると、人口約2800万人に占める極貧者の割合は76.6%で、昨年の67.7%から上昇した。

調査リポートは背景として、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)と、慢性的な燃料不足を挙げている。調査では、回答者の少なくとも20%が車にガソリンを入れられないと回答、雇用の主要な阻害要因となっている。

調査に協力した社会学者、ペドロ・ルイス・エスパナ氏は、この調査は2014年に、公式データが発表されていないことを補完するため開始されたと説明した。

同氏は、購買力欠如に加え、雇用不足が無気力をもたらしていると指摘。「雇用機会がないことが問題だ。人々は家の玄関の前に座ったままで何もせずにいる。何もしたくないからではなく、(仕事を)する場所がないからだ」と述べた。

また、公共部門の賃金が安く、最低賃金は月3ドル程度にとどまり、民間部門は規模が小さい、と指摘した。

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