ジャガイモは低カロリーで栄養豊富「ダイエットにも最適です」

「フライドポテトやポテトチップスなど、おいしいけど太りやすい食品は、すべてジャガイモで作られている」。多くの人が、そんな印象をお持ちではないでしょうか。

そこから「ジャガイモは高カロリー食品で、肥満に直結する」と思われがちですが、これは大きな誤解です。ジャガイモは、カロリーが比較的低くて栄養豊富な、ダイエットにも役立つ優良食品なのです。

調理法によっては「肥満の元」にもなります

拳サイズのジャガイモならば約150キロカロリー。栄養士の陳怡婷さんは、「ジャガイモ自体のカロリーは高くありません。油で揚げたり、調味料を過剰に入れることで、ポテト料理のカロリーが増加したのです」と説明します。

ジャガイモは蒸す、煮る、焼くなど油を使わない方法で調理することをお薦めします。油で揚げたり、油分の多い濃厚なソースをかけすぎると、そのぶんカロリーが上昇してしまいます。

ジャガイモは全粒雑穀類に属し、ビタミンCカリウム食物繊維レジスタントスターチ(難消化性デンプン)を豊富に含みます。とくに、ジャガイモに含まれる豊富なカリウムが血圧を調節するとともに、ビタミンCが炎症を抑え、血管の弾力を維持することで心血管疾患のリスクを低下させるなど、優れたはたらきがあります。

またジャガイモの食物繊維は、腸内のプロバイオティクスの養分として腸の健康を保つ一方、「腹もち」が良いため、満腹感を提供してくれます。

同じく、難消化性デンプンは消化吸収されにくく、お腹を満たすことができる上、食後の脂質酸化作用を促進して脂肪の蓄積を抑制しますので、減量に役立つのです。

ダイエット中の人には、ご飯代わりの主食としてジャガイモをお薦めできます。

陳怡婷さんは、「おかずにジャガイモがある場合には、その分ご飯や麺などの主食は減らすようにしてください」とアドバイスします。ジャガイモは低カロリーですが、食事全体として糖質やカロリーを過剰摂取することは、やはり避けなければなりません。

良いジャガイモの選び方と保存方法

良いジャガイモを選んで購入するために、どのような点に注意したらよいでしょうか。

まず売られているジャガイモを良く見てください。発芽していたり、表皮に斑点があるものや緑色になっているものは避けましょう。

ジャガイモの芽には、毒性のあるソラニンが含まれています。陳怡婷さんは「ひどく発芽したジャガイモは丸ごと廃棄してください」と強調します。

わずかに発芽したぐらいなら、芽の部分をえぐって除去すればソラニン中毒を防ぐことができますが、大きく発芽したジャガイモは、芽を取って加熱調理しても毒性は残るからです。

誤って許容量以上を摂取した場合、めまい、頭痛、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、呼吸困難など急性の中毒症状が現れることがあります。

このような不慮の事故を避けるためにも、購入後のジャガイモを発芽させないようにする工夫が必要です。

買ってきたジャガイモを保存するには、新聞紙で包んでビニール袋に入れ、冷暗所に置きます。ジャガイモは光を当てると芽が出やすくなります。
また湿気にも弱いので、もし雨が続くようでしたら、あまり多く買わないでください。

そのほか、ジャガイモの発芽を避けるため、同じ袋にエチレンを出すリンゴを入れておくという方法もあります。

おいしくて低カロリーのジャガイモ料理2種

正しい調理法と量を心がければ、ジャガイモもヘルシーな食材になります。次の2つの料理は作り方が簡単で、おいしいだけでなく、カロリーも低くなっています。

1、ジャガイモの塩焼き
油を使わずに焼く、ベイクドポテトです。
材料は、ジャガイモ2個、オリーブオイル、塩、黒コショウ、ローズマリー(またはイタリアンスパイス)それぞれ少々。

作り方:
1、 ジャガイモを8ミリ幅にスライスし、両面にオリーブオイルを塗る。
2、 180度に予熱しておいたオーブンにジャガイモを並べ、塩、黒コショウを振る。
3、 ローズマリーをトッピングして、オーブンで20~30分焼く。(焼き時間は、ポテトの大きさにもよるので、調整してください)

ジャガイモは蒸す、煮る、焼くといった調理方法が適しています。(Shutterstock)

2、ポテトと鶏そぼろのスープ
鶏むね肉とジャガイモを使った、ダイエッター向けの一品です。
材料は、ジャガイモ1個、タマネギ1/2個、ニンジン1/2本、鶏むね肉120g、塩、黒コショウ、イタリアンスパイス各少々。

作り方:
1、ジャガイモ、タマネギ、ニンジンは、皮をむいてさいの目に切る。鶏むね肉は、皮を除き、さいの目に切る。
2、深めのフライパンに油を熱し、タマネギを入れて香ばしく炒める。続いてジャガイモとニンジンを入れて炒め、最後に鶏むね肉を加えて炒める。
3、水500ccを加え、蓋をしてジャガイモが柔らかくなるまで弱火で煮込む。
4、塩、黒コショウ、イタリアンスパイスで味を調える。

(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)