米南部や中西部で10日夜から11日にかけて相次いで発生した竜巻について、ケンタッキー州のビシア知事は12日、これまでに州内で80人の死亡が確認されたと明らかにし、死者は最終的に100人を超える可能性があるとの見方を示した。写真は同州ドーソン・スプリングスで12日撮影(2021年 ロイター/Jon Cherry)

米竜巻被害、死者100人超の可能性 救出活動続く

[メイフィールド(米ケンタッキー州) 12日 ロイター] – 米南部や中西部で10日夜から11日にかけて相次いで発生した竜巻について、ケンタッキー州のビシア知事は12日、これまでに州内で80人の死亡が確認されたと明らかにし、死者は最終的に100人を超える可能性があるとの見方を示した。同州では、行方不明者の捜索や救出活動が続いている。

当局によると、これまでに少なくとも5州で死者が確認されている。生存者を発見できる見込みはほとんどないという。

イリノイ州ではアマゾン・ドット・コムの倉庫で6人が死亡した。アーカンソー州では高齢者施設が被災し、1人が死亡、州内の死者は2人となった。テネシー州では4人、ミズーリ州は2人の死亡が確認された。

最も被害が大きかったケンタッキー州西部メイフィールドではろうそく工場や消防署、警察署が崩壊した。住民約1万人の同コミュニティーではほぼ全ての住宅が倒壊するか屋根が吹き飛ばされ、大木が根こそぎ倒れ、道路標識も激しく損傷した。

ビシア知事は、州の歴史上最も深刻な竜巻被害だとし、3万6000─5万軒で停電が発生していると述べた。救助隊が一軒一軒を回り、がれきの撤去作業を行っているほか、水や発電機を配給している。

知事は「われわれが最初にしなければならないことは、共に悲しむことであり、復興に取り組む前にまずそれをするつもりだ」と述べた。

ろうそく工場の広報担当者によると、工場にいた110人のうち、8人の死亡が確認され、8人が行方不明となっている。当初は70人が死亡した可能性が報じられていたが、実際の行方不明者は当初の想定よりも大幅に少ないと語った。

ビシア知事が示した死者予測に工場の従業員が何人含まれていたかは不明。

今回の竜巻は、アーカンソー州北東部で発生し、ミズーリ州、テネシー州、ケンタッキー州へ移動したスーパーセルと呼ばれる積乱雲を含む雷雨によって引き起こされたとみられる。

バイデン大統領は記者団に対し、気候変動が暴風雨の発生にどのような影響を与えたか調査するよう環境保護庁に指示すると述べた。

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