絵本で解決、幼児教育の悩み 第2話:絵本との偶然の出会い
奇跡が詰まった絵本の魅力を紹介するこの連載は、ある中国人の母親が、偶然図書館で絵本を発見したことから誕生しました。彼女は小学二年生の娘が夏休みの宿題をなかなか終わらせないことを見かねて、本を借りるために娘を連れて図書館に行きました。そこで出会った絵本が、不安と焦りばかりだった彼女の子育てに、想像もしなかった大きな変化をもたらしたのです。
中国出身のこの母親は、夫に付き添って来日したものの、日本の教育については全く知識がなく、子どもの本といえば、世界的に有名な童話や神話など、絵がきれいで、親が子どもに買い与える古典的な本という印象が強かったそうです。これらの本が、子どもの教育に大きく役立つと思っておらず、ましてや自分の人生観に大きな変化をもたらすとは少したりとも思っていませんでした。
そのため、子どもが生まれてから育児をしていく中で、もちろん絵本を買って子どもと一緒に読むことはありましたが、絵本で表現されている深い意味を理解することはできなかったと言います。それは、これらの絵本が子どもにとってどんな意味を持つのか、何のために作られたのかを理解できず、ただ子どもの楽しみのために、あるいは自分の任務をこなすために読んでいたに過ぎなかったからです。絵本は子どもの想像力を育むなどの言葉はよく聞いていたものの、真に心の底から信じていたわけではありませんでした。教育に熱心な親の多くは、アンデルセンの童話など有名な絵本をたくさん子どもに買い与えますが、それが子どもに大きな効果を与えていると感じることもなく、また自分が読んでいても面白さを感じられないために、子供と一緒に過ごすためでなければ、手に取ることはなかったときっと思うでしょう。しかしそれは、子どもに共感し、一緒に絵本の世界に入り、絵本の楽しさや効果を味わおうとしていないからです。