あすのシェフさん

中国宮廷料理 鯛の姿蒸し

中国の宮廷料理は、どれも描いたように美しく、料理そのものだけではなく、飾りつけでさえ芸術と言え、本場のものは普段では見られません。本日は、そんな宮廷料理、清蒸魚(チンジョンユー)を皆さんにご紹介したいと思います。

通常のしょうゆ味の蒸し魚と違って、吉祥の意味を持つ高級な真鯛をメインに、宮廷式の塩味の蒸し料理の方法で調理し、魚本来の鮮味を引き出しています。調味料をあまり使用しないため、調理師に対する技術の要求も非常に高くなります。おいしさの鍵は鯛の表面にジェル層を作り出し、魚本来の水分を封じ込めることです。こうすることで、魚の鮮味が保たれ、さっぱりとした味と柔らかい食感になります。

では、鯛の姿蒸しの調理方法と味の決め手をご紹介したいと思います。
 

材料

鯛 (約750g)
ベーコン 15g  
しいたけ 5g  
冬筍(たけのこ)  15g 
バター 10g  
生姜 15g 
長ネギ 50g

塩 8g  
鶏がらスープの素 2g  
白コショウ 1g  
お湯  100g

作り方

1 生姜を麦穂の形に飾り切りし、薄切りにする。長ネギを長さ5cmに切る。ベーコンを花の形に飾り切りしたあとに薄切り。冬筍を厚さ5mmに切り、しいたけを薄切りにする。
2 鯛の両面に数回一文字の隠し包丁を入れ、尾柄に十字の切り込みを入れる。
3 沸騰したお湯に塩5gを入れ、鯛をさっと熱湯にくぐらせ水を切る。
4 耐熱皿に長ネギをしき、鯛をのせる。(1)を鯛の上に並べる。
5 お湯でバターを溶き、鶏がらスープの素2g、塩3g、白コショウ1g、肉スープ 100gを入れ、よく混ぜてから鯛にかける。
6  (5)を蒸し器に入れ、強火で10分間蒸したら出来上がり。

食材と調味料の提供元
オーガニック クランデール 
https://courantdair.jp/
 
 

今日のシェフさんは…

料理人 李 凱(り がい)
1968年、中国開封出身。1986年、開封市技工学校の調理専攻課程入学。88年、同校を卒業、開封市外事観光局所属のレストラン「開封礬楼御酒楼」で中国料理の調理師として従事。91年、中国国家が認定する「1級調理師」資格を取得。中国伝統の宮廷料理に精通しているほか、糸のように細い「龍須麺」や中国宮廷の点心など面点(小麦粉を主材料とする点心や麺)づくりを得意とする。2004年、「開封礬楼御酒楼」総料理長およびマネージャーを兼任。2004年10月に来日、港区赤坂の中華料理店「赤坂天府」で調理師のちに総料理長。2009年11月には、元総理の村山富市氏をふくむ小宴席を担当。中国宮廷料理をふるまい「今まで食べた中で、最もおいしい中華料理でした」との好評を得た。2011年より、新宿の台湾料理店「霞舫酒家」料理長。2016年より「健康中華 青蓮」神保町店で料理長。2020年より中華料理店・新宿「味の初 蓮」で料理長、現在に至る。