他人に安心感を与えるボディランゲージは

人々の心を動かすのは、何を伝えたかより、人とどのような関係をつくったかということです。人と良い関係を築くために大切なのは「世間話」です。会話中に無意識にボディランゲージを交わしていれば、なおさら魅力的です。

好かれるには「ボディランゲージ」

三流の人は身振り手振りをしないで話します。
二流の人は大きな身振りで話します。
一流の人は何をしているのでしょうか?
日常のコミュニケーションでは、言葉だけでなく、ボディーランゲージもよく使われます。

例えば、何かを指さして「手伝って」と言ったり、別れ際に手を振って別れを告げたり、他人の話を聞きながら頷くのも、ボディランゲージの一種です。このように、私たちは無意識のうちにボディランゲージを使って自分を表現していることが多いのです。

これは世間話でも同じです。自分が話しているときに動かない相手と話すのは気まずいものです。そのため、私たちは常に無意識のうちにボディランゲージを使って会話をしています。

とはいえ、何気ない会話でボディランゲージを過度に誇張する人は、ちょっと無理があるというか、過剰反応だといえます。

例えば、「昨日、足元に違和感を感じて下を見たら、左右で色の違う靴下を履いていた」というようなことです。そう言った後、その人は「すごい!」と言います。「面白いですねぇ、すごいなー、奇跡だ!」 これだけ大げさに反応されると、かなり気になりますね。
一流の人は、「最高のボディランゲージ」の使い方を知っています。

最も適切なボディランゲージは、相手がスムーズに自分を表現できるものです。手の動きに重点を置いています。

例えば、相手の話を聞いているときに腕を胸の前で組んでいる人は、警戒している可能性が高いです。テーブルに肘をついているのは、退屈している証拠です。

アメリカのドナルド・トランプ前大統領は、手のボディランゲージとして、指を下に向けるジェスチャーをよくしていました。この仕草は「自分の立場の優位性を強調するため」とも言われています。

逆に、握手というボディランゲージにはどのような意味があるのでしょうか。握手の起源については諸説ありますが、その一つは、「丸腰であること」を示すため、つまり友好の証として握手をするようになったというものであります。

手のしぐさには、しばしば人間の心理が表れます。これは世間話でも同じです。「話しても大丈夫ですよ」「私はあなたを脅かす存在ではありませんよ」と適切な身振り手振りをすることで、相手が安心して話せる空間を作ることができるのです。

具体的には、手のひらを開くのも一つの方法です。握手のように手のひらを見せることで、「手に武器を持たない」という意味合いを持ち、「安全」というメッセージを相手に伝えることができます。

有名な講演者はよく聴衆に向かって手を広げますが、これは講演するときのオープンな姿勢を意味しています。

「この人と話すと安心する」という人に出会ったら、ぜひ手の動きを観察してみてください。一流の人は、相手に快適で心地よい空間を与えるために、小さなボディランゲージにまで気を配っています。

(ウェブサイト記事)
この記事は、『一流、二流、三流の話し方-対人関係力を高め、誰とでも話せる45のヒント』(商周出版社提供)から引用しています。

(翻訳・里見雨禾)