岸信夫防衛相の資料写真。2021年11月撮影(Photo by KIYOSHI OTA/POOL/AFP via Getty Images)

ハイブリッド戦争…ニセ情報流布などの宣伝工作、政府が一体となって対応を=岸防衛相

岸信夫防衛相は衆院予算委員会で21日、ニセ情報の流布を含む宣伝工作など伝統的な安全保障の枠組みから外れた動きが国際社会で見られるなか、自衛隊のみならず政府が一体となって対応する必要との認識を示した。維新の会・青柳仁士衆院議員が、情報や経済、外交など従来の安全保障領域にとどまらない多様な戦い方を指す「ハイブリッド戦争」について質問した際の答弁。

青柳氏は、中国共産党が経済措置や心理作戦、サイバー攻撃など従来の軍事攻撃にとどまらない「超限戦」を講じていることにも言及。武力攻撃などの概念に関する従来の政府見解では現況に対応できるのかと疑問を呈した。

岸氏は「我が国に対する武力攻撃とは領土、領海、領空に対する組織的および計画的な武力行使」とする認識を踏まえたうえで「近年、国際社会では自らに有利な国際秩序の形成を目指した国家間の競争が顕在化するとともに、ニセ情報の流布を含む様々な宣伝工作が行われるなど、伝統的な安全保障領域にとどまらない動き」があると指摘。政府が一体となり、地方自治体や民間の協力を経ながら対処していく必要性を強調した。

▶ 続きを読む
関連記事
中国の夜空でドローンが「謎の霧」を散布。十数省で相次ぎ報告され、焦げた臭いに住民が騒然。当局は沈黙したまま…何が起きているのか。
中国の鉄鋼業は不動産不況やインフラ投資減速により縮小傾向。2025年までに鉄鋼輸出が5割減少すると指摘している
小野田紀美科学技術相は5日の記者会見で、南鳥島沖で進められる国産レアアース採掘に向けた深海試験について、「我が国の経済安全保障上、極めて重要な取り組みだ」と述べ、研究開発への期待を示した。
中共外交部の報道官が数日間にわたり、サンフランシスコ平和条約(1951年)の合法性を否定し、国際法上の効力を持つのはカイロ宣言とポツダム宣言であると強調したことが、国際社会や法学界で議論を呼んでいる。日中間で「台湾有事」をめぐる外交的緊張が高まるなか、事態は新たな局面に入った
中国河南省で転落事故後に死亡した14歳少年の臓器提供を巡り、母親が「手はまだ温かかった」と疑念を示した。死亡判定や手続きの透明性にネット上で関心が高まり、事例は国内で波紋を広げている。