岸田文雄首相は23日午前、ロシアがウクライナ東部の親ロ派支配地域の独立を承認したことを受け、制裁措置を発表した。写真は2月17日、東京の首相官邸で撮影(2022年 代表撮影)

日本が対ロ制裁、独立承認地域の資産凍結や輸出入禁止 追加措置も

[東京 23日 ロイター] – 岸田文雄首相は23日午前、ロシアがウクライナ東部の親ロ派支配地域の独立を承認したことを受け、同地域関係者の資産を凍結するなど3つの制裁措置を発表した。事態が悪化する場合は主要7カ国(G7)などと連携し、更なる措置を速やかに取る考えを示した。首相公邸前で記者団に語った。

ロシアが独立を承認した「2つの共和国」関係者の査証発給を停止するとともに資産を凍結、2地域との輸出入も禁止する。ロシア国債の日本における発行・流通も禁止する。手続きが終わり次第発動する。

岸田首相はロシアの一連の措置について「明らかにウクライナの主権、領土の一体性を侵害し、国際法に違反する行為であり、改めて強く非難する」と述べた。その上で、ロシアに対し、外交プロセスによる事態の打開に向けた努力に立ち戻るよう強く求めた。

岸田首相は、「今回の事態がエネルギーの安定供給に直ちに大きな支障をきたすことはない」と説明。原油は国、民間合わせて約240日分の備蓄があり、液化天然ガス(LNG)も電力・ガス会社に2、3週間分の在庫があるとした。

原油価格が上昇していることについては、「国民生活や企業活動への影響を最小限に抑えられるよう、あらゆる選択肢を排除することなく検討、対応していく」と語った。

(杉山健太郎、竹本能文)

*内容を追加しました。

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