2月28日、 ウクライナは同国に軍事侵攻したロシアが戦争犯罪を犯した可能性について国連の調査を要請した。写真はジュネーブで国連人権理事会に出席するウクライナの Filipenkoジュネーブ国連大使。代表撮影(2022年 ロイター)

ウクライナ、ロシア軍の戦争犯罪疑惑で国連に調査要請

ジュネーブ 28日 ロイター] – ウクライナは28日、同国に軍事侵攻したロシアが戦争犯罪を犯した可能性について国連の調査を要請した。国連人権理事会が3月3日に開くロシアの侵攻に関する緊急討議で、ウクライナがまとめた決議案を審議することになる。

決議案が採択されれば、3人の独立専門家からなる委員会が国際法違反に関する調査を行う。2014年にロシアが併合したクリミアやウクライナ東部の親ロシア派支配地域ドネツクとルガンスクに関しては14年以降、その他の地域はロシアの先週のウクライナ侵攻以降が調査の対象となる。

ウクライナのジュネーブ国際機関代表部大使、Yevheniia Filipenko氏は国連人権理事会に対し、ロシアは幼稚園や孤児院、病院、医療支援部隊を狙い撃ちすることで国民をパニックに陥れようとしていると主張。戦争犯罪に該当する可能性があるとした。

在ジュネーブ国連機関の米代表を務めるシェバ・クロッカー氏はロイターへの声明で、国連人権理事会の緊急討議開催を決めた28日の採決結果は、ロシアが同理事会で完全に孤立していることを示したと強調。

「ロシアの見解を支持したのは4カ国のみだった。国際社会が一致団結してロシアの残忍な行為を非難している証左だ」と述べた。

ロシアのジュネーブ国際機関代表部大使、ゲンナディー・ガティロフ氏は、ロシア軍はウクライナで民間施設を攻撃していないと主張した。

ロシアのラブロフ外相は1日にジュネーブを訪問し、国連人権理事会で演説する予定だったが、取りやめた。ロシア代表部は、対ロシア制裁を導入した欧州連合(EU)の多数の加盟国による領空飛行禁止を理由に挙げた。

ジュネーブがあるスイスはまた、EUと同じ内容の対ロシア制裁を科すことを決めており、ラブロフ氏やプーチン大統領、ミシュスチン首相のスイスにある資産を凍結する。

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