3月11日、欧州連合(EU)はロシアに対し新たな制裁を課す方針を明らかにした。EUによる対ロ制裁はこれで第4弾。ロシアへの貿易・経済上の最恵国待遇を剥奪し、暗号資産の使用を取り締まるほか、高級品の輸出や鉄鋼製品の輸入を禁止する。写真は2021年5月、ブリュッセルで撮影(2022年 ロイター/Yves Herman)

EU、対ロ追加制裁第4弾 鉄鋼製品輸入や高級品輸出を禁止

[11日 ロイター] – 欧州連合(EU)は11日、ロシアに対し新たな制裁を課す方針を明らかにした。EUによる対ロ制裁はこれで第4弾。ロシアへの貿易・経済上の最恵国待遇を剥奪し、暗号資産の使用を取り締まるほか、高級品の輸出や鉄鋼製品の輸入を禁止する。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「あす、われわれはロシアをさらに孤立させ、この野蛮な戦争の資金源を排除するため、4番目となる対応策を取る」と述べた。

最恵国待遇の剥奪は米国を含め西側の同盟国と歩調を合わせるもので、これによりEUはロシア製品の輸入を禁止するか懲罰的関税を課し、ロシアを北朝鮮やイランと同列に扱うことになる。

EUは第一段階として、鉄および鉄鋼部門製品の輸入を禁止する。

フォンデアライエン氏は声明で、国際通貨基金(IMF)や世界銀行など主要な多国間機関に対し、ロシアの加盟停止を働き掛けるとした上で、「ロシアがこれらの機関から融資や貸付、その他の利益を得られないようにする」と表明した。

EUのボレル外交安全保障上級代表(外相)は、ブラックリストに掲載するロシアの新興財閥(オリガルヒ)や財界人、企業の人数を増やす案を提出すると述べた。

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