『嵐が丘』のモデルになったイングランドのハワースの荒野にある「トップ・ウィゼンズ」の廃墟。(Shutterstock)

情熱的天才の衝撃的長編小説――『嵐が丘』(二)

『嵐が丘』の英語名は「Wuthering Heights」です。「Wuthering」は英語ではあまり見られない地方の言葉で、「暴風雨」「嵐」を意味しており、この物語の激烈な感情を暗示しています。「Heights」は海抜の高い場所という意味で、当時、イギリスの中流階級の裕福な家は荘園のある邸宅を有していました。

物語の中心が海抜の高い荒原の邸宅で起こったことについてですが、この小説は、倒叙形式、挿入法などの創作方法が用いられており、時間背景が比較的複雑なので、読者が理解しやすいよう、古い出来事から順に紹介していきたいと思います。

 

嵐が丘の地主アーンショウとアーンショウ夫人には、ヒンドリーという名の男の子とキャサリンという名の女の子の2人の子どもがいます。ある日、アーンショウは外出先から孤児の少年を連れ帰ってきて、哀れみの気持ちから、男の子をヒースクリフと名づけ、実の子のように可愛がりました。

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