【佛家物語】お釈迦様とその家族(5)釈迦牟尼から息子への贈り物

彼はまた息子のラーフラに会いに行きました。釈迦牟尼を見たラーフラは「お父上!?父上は私が生まれた後すぐ行ってしまったので、もう二度と戻ってこられないのではと心配していました。どうか私に遺産を譲ってもらえないでしょうか?」と言いました。

釈迦牟尼は「ラーフラ、お前は私に世俗的な富を与えてほしいのか?それは必ず消えるに決まっている幻想であり、私はそれをあなたに与えることはできない。しかし、私はあなたに世界を超越する宝、永遠に消えることのない宝を与えてやることができる!」と言い、ラーフラを宮殿から連れ出しました。ラーフラは僧院の最初の沙弥(修行僧)となりました。

帰国後の7日間で、息子のラーフラ、従兄弟の阿難(アーナンダ)、阿那律(アヌルッダ)、提婆達多(デーヴァダッタ)、王室の理髪師の優波離(ウパーリ)など、数百人の僧侶がお釈迦様について出家しました。その後淨飯王が危篤になったとき、釈迦牟尼は宮中に駆けつけ、瀕死の淨飯王に法を説き、王は悟りを開いて阿羅漢(仏教で最高の悟りを得た聖者)に達し、法喜の中で世をさりました。

ラーフラやアーナンダ、ウパーリは、後に阿羅漢の果を得た釈迦の十大弟子の中に名を連ねています。息子のラーフラは「密行第一」、アーナンダは「多聞第一」、ウパーリは「持戒第一」として知られています。

叔母のパジャパティは、ヤソーダラーともう一人の妾、500人の釈迦族の娘たちを率いて、最初の比丘尼として彼に従い、全員が果位を得ることができました。 超能力を持つことでよく知られるヤソーダラーは、釈迦より先に亡くなり、阿羅漢の果位を得ました。彼女は授記(仏が修行者に対して将来必ず仏となることを予言し保証を与える)され、「具足千萬光相如來」の名で仏陀となりました。

釈迦牟尼の涅槃の時、すでに亡くなっていた母・マーヤー夫人が空から釈迦牟尼の棺に降りてきて、悲しみに打ちひしがれていました。釈迦牟尼は法力を使って棺の蓋を開け、金色の棺の中で手のひらを合わせて座り、「母がわざわざ天から降りて来たことには感謝しているが、諸行無常であることを悟り、悲しみに暮れないでほしい」と説きました。母に別れを告げ、再び棺の中に横たわると、蓋が自然と閉まりました。その瞬間、三千世界(仏教で言う宇宙全体)が揺れ動きました。

(翻訳・微宇)

秦順天