「イエス・キリストの降誕」絵画集(上)

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「イエス・キリストの降誕」は西側諸国の宗教絵画の中の重要なテーマです。画家たちは、イエスが生まれた場所や、天使からの福音の場面など、豊富な想像力を用いて数々の和やかでかつ神聖な傑作を創作しました。

ここで、「イエス・キリストの降誕」をテーマに作品を描いた画家たちをご紹介したいと思います。

ジャック・ダレー(Jacques-Daret、1404 –1470 )はルネサンス初期のフランドル派画家で、1434年-1435年頃に「キリストの降誕」を描きました。この時のダレーの絵画はまだ国際ゴシック様式が抜けておらず、鮮やかな装飾と金箔の使用が北部の特色を表しています。自然な色使いから、すでにある程度の技法を身に着けていることが伺えますが、人体のバランスや比例の掌握はまだ未成熟のようです。

絵画の中では、聖家族の他に、華麗な服をまとった夫人が聖母マリアと幼子イエスの前に跪いていますが、羊飼いや予言者でもなければ、天使でもありません。明らかにこの場面に現れるべきではない人物です。推測によると、彼女は絵画を注文した顧客ではないかといわれています。画家は顧客の希望に併せて、神とともにいるところを描き出しました。

 

ロレンツォ・コスタ「聖家族」(パブリックドメイン)

 

ロレンツォ・コスタ(Lorenzo Costa、1460 – 1535)はルネサンス期のイタリアのフェラーラ派の画家です。この「聖家族」では、聖母マリアと養父ヨセフはそれぞれ左右から真ん中の幼子イエスを見守り、礼拝しています。絵画中の人物の慎重かつ純粋な態度から、画家の敬虔さが伺えます。この作品は現在、フランスのリヨン美術館に収蔵されています。

 

ピエロ・デラ・フランチェスカ「キリストの降誕」(パブリックドメイン)

 

ピエロ・デラ・フランチェスカ(Piero della Francesca、1412?〜1492 )はルネサンス期の画家で、フレスコ画を得意とし、数学や幾何学の分野でも名を知られています。フランチェスカの作品は人文主義や神学と結合しており、上の「キリストの降誕」の構図はバランスが良くかつ素朴で、聖母子の後ろで歌っている5人の女性は、それぞれ表情が異なり、生き生きしています。絵画はルネサンス初期の段階のものですが、芸術の成熟のためにしっかりした基盤を築き上げたといえるでしょう。

 

ドメニコ・ギルランダイオ システィーナ礼拝堂の壁画(パブリックドメイン)(※ ドメニコ・ギルランダイオが参与している部分の壁画)

 

ドメニコ・ギルランダイオ(Domenico Ghirlandaio、1449-1494)はレオナルド・ダ・ヴィンチと同時期のフィレンツェの優秀な画家です。大きなアトリエを経営しており、ミケランジェロが最初に師事していた画家でもあります。また、ギルランダイオはシスティーナ礼拝堂の壁画創作にも参加しました。
(つづく)

(翻訳編集・天野秀)

周怡秀