米フロックチェーン分析企業が13日に報告書を発表し、北朝鮮のハッカー集団は昨年7回の仮想通貨の取引所や投資企業に対するハッキングによって、合計約4億ドルの暗号通貨を盗んでおり、「高度で持続的な脅威だ」と警鐘を鳴らした (Photo by NICOLAS ASFOURI/AFP via Getty Images)

中国、露軍事機密をハッキング 同床異夢か

イスラエルに本社のあるサイバーセキュリティ企業「チェック・ポイント(Check Point)」の最新報告書によると、中国政府の支援を受けたハッカーが3月下旬、ロシアの軍事機密情報をハッキングしようとしていた。

それによると、ロシアの軍事研究開発機関に所属する科学者やエンジニアらは3月23日、同国保健省を装った電子メールを受け取った。

マルウェアが仕込まれたこのメールのタイトルは、「ウクライナ侵略で米国から制裁を受ける人員リスト」だったという。

中国のハッキング攻撃は、ロシアのウクライナ侵攻前の2021年7月から始まったと同報告書は指摘した。

米ニューヨーク・タイムズ(NT)紙は、中国によるハッキングは混乱を起こして戦争状況を変えようとするものではなく、情報や知的財産を得ることが目的のようだと推測した。

「過去10年間、中国のスパイ機関はロシアを見習い、人材を招致し、サイバースパイを使って世界各国から知的財産や政治・軍事情報を盗んできた」と同紙は指摘した。

ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから、欧米諸国はロシアに厳しい制裁を次々と科しているが、中国はロシアを非難せず、国内では対露共闘姿勢を宣伝している。

ウクライナ侵攻前、習近平国家主席とプーチン大統領は中ロ間の協力関係が「無制限」とうたった共同声明を発表し、両国の蜜月関係をアピールした。

NT紙は、この報告書の内容に「驚いた」と述べた。表向きは親密関係にある両国は、裏ではそれぞれの打算があると同床異夢の実態を指摘した。

(翻訳編集・李凌)

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