ホワイトアスパラガスとグリーンアスパラガスは実は同じ種類で、ホワイトアスパラガスは土から出る前に収穫し、グリーンアスパラガスは日光を浴びてから収穫するという違いがあります。(Shutterstock)

アスパラガスの緑と白はどっちがいい? がんを予防する栄養素を含むアスパラガス料理(1)

アスパラガスは、パスタや欧米のオムレツ、日本の手巻き寿司など、世界中の料理によく登場します。この細長い緑色の野菜は、調理に適しているだけでなく、がんのリスクを低減する抗酸化栄養素も豊富に含んでいます。

 

多くの抗酸化栄養素が含まれているアスパラガス

アスパラガスは100gあたり20kcalと低カロリーです。また、血圧を調整するカリウム、正常な血液凝固と丈夫な骨を促進するビタミンK、疲労回復に役立つアスパラギン酸、腸内環境を整える食物繊維など、多くの栄養素を含んでいます。

その他にも、アスパラガスには、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、セレンなど、抗酸化作用のある栄養素が多く含まれています。機能性医学を専門とする栄養士の簡子勻氏によると、これらの栄養素はすべて、がんを予防し抗がん作用をもつと言います。

生活上の汚染物質やストレスは、体内に異常な酸化を引き起こすフリーラジカルを発生させ、老化やがんを含む多くの病気の原因となります。抗酸化作用のある栄養素を定期的に摂取することで、体内のフリーラジカルによるダメージを軽減し、がんを予防することができます。

ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは、体を酸化から守り、免疫力を強化するのに役立ちます。

ビタミンAは細胞膜の安定性を保ち、免疫力を高めて夜盲症を予防、ビタミンCは細胞膜や呼吸器粘膜を正常に保ち、ビタミンEは血行を促進し、血栓のリスクを低減します。

また葉酸は血液を補うために重要な栄養素で、がん細胞の拡散を防ぐ働きもあります。簡子勻氏によると、葉酸が不足するとがんや心血管系疾患につながる可能性があるそうです。

そしてセレンは体内で抗酸化作用に必要とされる微量元素です。

科学雑誌『Nature』は2016年に、セレンが、乳がん、肺がん、食道がん、胃がん、前立腺がんのリスクを低減させることを示す文献を発表しました。

 

アスパラガスには多くの抗酸化栄養素が含まれています。(Shutterstock)

 

色が違うアスパラガス どれがいい? あるタイプの人は食べる量を減らすべき

アスパラガスの色は3色あり、一般的なのは緑や白ですが、ごくまれに紫色のアスパラガスもあります。

白アスパラガスと緑アスパラガスは、実は同じ品種です。白アスパラガスは地上に出る前に収穫したもので、地上に出て日光を浴び光合成した結果、緑色に変化したものが緑アスパラガスとなり、収穫されるのです。白アスパラガスと緑アスパラガスに含まれている栄養素には差はほとんどありませんが、緑アスパラガスの方が栄養価は少し高いです。

紫色のアスパラガスを食べると、アントシアニンという抗酸化栄養素を加えて摂取することができ、体が有害なフリーラジカルと戦うのを助けることもできます。

アスパラガスはプリン体を多く含むため、痛風患者の方は、痛風の症状を悪化させたり、関節の腫れや痛みを引き起こさないよう、摂取量に注意する必要があります。

 

アスパラガスには3つの色があり、グリーンアスパラガスが最も一般的です。(Shutterstock)

 

(翻訳:春野瑠璃)

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