(Shutterstock)

絵の中の時空ーー美術家=物理学者?(三)

太陽系の中の惑星はほとんど同じ平面で太陽を公転しており、太陽系は天の川銀河の中で独自の動きをしています。では、視野を広げて今度は天の川銀河の中で、太陽系を見てみましょう。宇宙写真を見ると、太陽系は楕円形をしています。太陽系は一直線を辿って動いているわけではありません。

途中あれこれひねったりと波のような動きをしているのです。そうなると、地球上での方向や時間の概念はもちろん、太陽系内の方向や時間の概念も変わってくるのです。

太陽系の動き、銀河系を平らな皿(青い横線)として想像した場合、太陽系は斜めの状態で動いている(黄色の波線)。青い球は地球(Jim slater307/Wikimedia Commons)

 

さらに視野を広げると、時空の概念はさらに変わってきます。現在の天文技術を通じて、太陽系が所属している天の川銀河は他のいくつもの銀河とともにさらに大きい銀河群(局所銀河群)を形成していることがわかりました。中でも、天の川銀河とアンドロメダ銀河が最も大きいです

 

局所銀河群、赤い文字が天の川銀河、右側の大きい銀河系がアンドロメダ銀河(Andrew Z. Colvin/Wikimedia Commons)

そして、さらにマクロ的にみると、局所銀河群はまた他のいくつもの銀河群とともにおとめ座超銀河団を形成していることが分かりました。局所銀河群にも独自の動きがあり、そして、おとめ座超銀河団も独自の回転ルールを持っているのです。

もちろん、私たちは今ある理論の基礎に基づいて次元や時空の概念のことを話しています。宇宙は絶えず膨張しているので、実際の状況は必ずしも上述の通りとは限りません。現在、天文学者は観測を通じて、多くの星系が超光速で天の川銀河から離れており、私たちがいる銀河がどんどん孤立した状況にいることが分かりました。

異なる大きさの時空の相互作用は機械内の噛み合う歯車のようで、数え切れないほどの大小さまざまな歯車が互いに結び付いているのです。

三次元の空間が二次元の平面に投射しているものが絵画です。では、私たちが目に見えているこの三次元の世界も、もしかするとさらに大きい次元からの投影ではないでしょうか?

実は、「次元」という言葉自体が局限化されており、必ずしも正確とは言えないのです。宇宙に上下左右などの方向がないと同じように、さらにマクロな世界で見れば、私たちの認識や概念は覆されるのです。(つづく)

(翻訳編集 天野秀)

 

関連記事
1271年、モンゴルのフビライ・ハンが元を建て、初めての漢民族以外の皇帝となりました。その後、数十年にわたり、中国はかつてない規模の帝国となり、元は文化の多様性と国際貿易の栄えた時代となりました。
明の最初の皇帝・太祖の生い立ちは、朝廷生活とはほど遠く、彼は朱元璋と名付けられた農民の子供でした。彼は最初、僧侶の道を歩みましたが、モンゴル主導の元が朝廷内の闘争で弱体化する中で反乱軍に参加し、まもなく右に出るもののいない軍事家として才気を発揮することとなりました。
清朝(1644-1911年)は、中国最後の統一王朝で、満州族により統治されました。末期の数十年には、軍事的敗北、内紛、経済の疲弊が次々と襲いかかりました。
道教で用いられるハタキは、動物の毛と麻を合わせたもので、木製の柄がついています。道家の道士や僧侶は、ハタキを携えて修業の旅に出ます。
古代中国では、二輪の戦車は戦場に欠かせない乗り物でした。紀元前2000年ごろの夏(か)の時代に現れ、歩兵や武器を戦場で移動するために使われました。