アングル:住宅購入ためらう中国の若者、経済急減速で不安高まる
[香港/北京 6日 ロイター] – 中国南東部の仏山市で2年間も物件を探していたボラー・イップさん(32)は、新築マイホーム購入の夢をいったん棚上げした。中国経済が急減速している今、大きな買い物をすることに不安を感じたからだ。
政府機関などイップさんが所有するメディアスタジオの顧客は今、広告予算の削減に乗り出している。「ニュースを読めば読むほど心配が募る。中国の経済、不動産市場、新型コロナウイルスのパンデミックに関するあらゆる情報のうち、明るい話はほとんど出てこない」と話す。
銀行は住宅ローン金利を引き下げている。それでもイップさんは、娘の学校に近い場所に家を買って引っ越す計画を見送る決断を下した。
関連記事
中国の鉄鋼業は不動産不況やインフラ投資減速により縮小傾向。2025年までに鉄鋼輸出が5割減少すると指摘している
中共が誇示してきた「一帯一路」は行き詰まりを見せており、世界の少なくとも14か国で労働者への賃金未払いが発生していると指摘されている。
キヤノンは、中国・広東省中山市にあるプリンター工場を事実上閉鎖した。日中関係が急速に冷え込む中、同工場の生産停止は中国からの生産移転と戦略的撤退の象徴として受け止められている
中国経済の悪化が続く中、多くの若者が失業や低賃金に苦しみ、親の援助に頼って生活している
かつては国際資本の非常に人気のある投資先であった中国市場は、現在では高リスクの環境とみなされている。