絵の中の時空ーー美術家=物理学者?(五)
視覚における距離と大きさの認識は、空間に関連するだけではなく、時間、速度などの要因に対する人の認識にも関係しています。人間の視覚メカニズムの特徴は、広い視野を持っている時、遠い場所で高速に動いている物体が遅く見え、逆に、そのものに近づく時、それが速く見えるのです。
例えば、拳銃弾の速度は約毎秒300メートルですが、人間の目はこの速度に全く追いつきません。しかし、離陸するロケットの速度は毎秒キロメートルで計算されているのに対し、人間の目は銃弾の速度より10倍以上速いロケットの姿を簡単にとらえることができ、かえって、ロケットがゆっくり飛んでいるように感じます。つまり、異なる空間範囲内にいる時、時間や速度の感じ方も異なるということです。
視界の範囲が異なると、人間の認識にも違いが生じる可能性があります。例えば、昔は、真っ直ぐ歩いて行くと、どんどん遠くなると思われていましたが、その後、衛星写真を通じて、地球が丸いことが分かり、そのため、真っ直ぐ歩き続けると、一周して、再び原点に戻ってくることがわかりました。
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