絵の中の時空ーー美術家=物理学者?(五)
視覚における距離と大きさの認識は、空間に関連するだけではなく、時間、速度などの要因に対する人の認識にも関係しています。人間の視覚メカニズムの特徴は、広い視野を持っている時、遠い場所で高速に動いている物体が遅く見え、逆に、そのものに近づく時、それが速く見えるのです。
例えば、拳銃弾の速度は約毎秒300メートルですが、人間の目はこの速度に全く追いつきません。しかし、離陸するロケットの速度は毎秒キロメートルで計算されているのに対し、人間の目は銃弾の速度より10倍以上速いロケットの姿を簡単にとらえることができ、かえって、ロケットがゆっくり飛んでいるように感じます。つまり、異なる空間範囲内にいる時、時間や速度の感じ方も異なるということです。
視界の範囲が異なると、人間の認識にも違いが生じる可能性があります。例えば、昔は、真っ直ぐ歩いて行くと、どんどん遠くなると思われていましたが、その後、衛星写真を通じて、地球が丸いことが分かり、そのため、真っ直ぐ歩き続けると、一周して、再び原点に戻ってくることがわかりました。
関連記事
1599年に墓が開かれた際、聖セシリアの遺体は腐敗せず、埋葬された時の姿勢を保っていたと記録されています。この現象は「肉身不腐の奇跡」と呼ばれています。
深夜の祈り、祭壇での誓い、そして唯一の「受けるべき一撃」──騎士はどのように生まれ、何を守ろうとしたのか。中世ヨーロッパの壮麗な叙任儀式と騎士道の精神が鮮やかに浮かび上がる一篇です。
聖書から民話、現代の習慣まで──“40”はなぜ試練と変化の象徴なのか。生まれ変わりの節目を示すこの数字の不思議な力を、歴史と文化を横断して読み解く一篇です。
気づけば「無難さ」に合わせて服を選んでいませんか? 服装は自分をどう扱うかを映す鏡。デニム全盛の現代に、装いが持つ本当の意味と、少し背筋が伸びる視点を与えてくれる一篇です。
ドイツで17日、少年時代のヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲した二つのオルガン曲が公開された。長らく所在不明だった作品の披露に、文化相は「音楽界にとって偉大な瞬間」と称賛した