FOMC後の記者会見に臨むFRBのパウエル議長 (Photo by MANDEL NGAN / AFP) (Photo by MANDEL NGAN/AFP via Getty Images)

米FRB、0.75%の利上げ パウエル議長「物価の安定を取り戻す」

米連邦準備理事会(FRB)は27日、米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策会合を開き、金利を0.75%引き上げた。記録的なインフレに見舞われるなか、利上げ幅は2か月で1.5%を記録した。

フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は2.25-2.5%となった。米国の労働市場は好調を維持しているが、「最近の消費と生産の指標は鈍化している」とFOMCは声明文で述べた。

パウエル議長は記者会見で、物価の安定を取り戻すことがFRBの最大の目的であると述べた。米経済は底堅く推移しており、「期待はずれ」のインフレと戦うことがFRBにとって不可欠な責務であると指摘した。

現在の金利水準について、経済成長に拍車をかけることなく、景気拡大を妨げることもない中立金利であるとしながら、利上げの効果はまだ十分に出ていないと指摘した。また、中立金利に達したことから、いずれかの時点で利上げペースを落とすことが適切だと付け加えた。

米国が景気後退の真っ只中にあるのかとの質問に対し、労働市場を中心に「経済が好調な分野があまりにも多い」とし、景気後退との指摘を否定した。パウエル氏は、FRBは景気後退を引き起こそうとしているわけではないが「我々のコントロール外の出来事により、道が狭くなってしまった」と述べた。

FOMCは声明で「ロシアのウクライナに対する戦争は、甚大な人的・経済的困難を引き起こしている。この戦争と関連する事象は、インフレにさらなる上昇圧力をもたらし、世界的な経済活動の重荷になっている。委員会はインフレリスクに注意を払っている」と指摘した。

いっぽう、FRBのインフレ抑制策が景気後退をもたらすと考えるエコノミストが増えていることが、新しい世論調査で明らかになった。

CNBCのFRB調査によると、エコノミスト、ファンドマネージャー、アナリストの63%がFRBの引き締めが不況の引き金になると考えており、55%が向こう12か月の景気後退入りを予想していることがわかった。

28日には米商務省が第2四半期(4~6月期)の実質国内総生産(GDP)速報値を発表する予定。

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