台湾の頼清徳副総統。2020年撮影(林楽予/大紀元)

「撃破されないように」台湾副総統、日台の連携強化を訴える

台湾の頼清徳副総統は28日、日本と台湾が同じく中国の脅威に直面している今、双方の広範囲にわたる協力関係の構築が必要だと述べた。中国の工作や謀略によって撃破されないよう、連携を一層強化することが重要だと指摘した。

頼清徳氏は訪台した「日本の安全保障を考える議員の会」のメンバーと会談した。国家の発展における重要な事柄のうち、安全保障は最優先されるべきだと指摘した。その上で、日台の安全保障上の連携がより強化されることに期待を寄せ、双方の安全保障に尽力している方々へ心からの謝意を示した。

台湾訪問団の団長を務めるのは、防衛大臣経験者の石破茂衆議院議員(自民党)と浜田靖一衆議院議員(同)。そして、防衛副大臣経験者の長島昭久衆議院議員(同)と参議院総務副会長を務める清水貴之参議院議員(日本維新の会)の計4人。

日本と台湾は、武力でもって民主主義社会の「ルールに基づく秩序」を破壊しようとする中国の軍事的圧力に直面しており、撃破されないよう双方の連携強化が重要であると述べた。

頼清徳氏は、中国共産党は外国の要人に対する買収工作や、偽情報を利用した分断工作も行っていると指摘。日本と台湾が中国の脅威に対抗するためには、安全保障や経済発展、民間交流などで連携を強化していく必要があると述べた。

台湾官製メディアによれば、一団は27日から30日まで台湾に滞在し、蔡英文総統、外交部の呉釗燮部長、游錫堃立法院長(オンライン形式)らと会談した。蔡氏は会談の中で「第一列島線という重要な防衛線上にある台湾と日本は、今後も連携を強め、インド太平洋地域の平和と安定を守っていかなければならない」と語った。

 

(翻訳編集・王天雨)

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