4. 遺伝子の持つ無限の可能性【人類の活路は地球から教わる】
この地球に棲むあらゆる生き物は、遺伝子という設計図によって身体が作られている。一般にはDNA(ディーエヌエー)と呼ばれることもある。著名なスポーツ選手の子供が、やはり優秀な身体能力を持つとき、「親のDNAを受け継いでいる」などと表現されることがある。DNAや遺伝子という言葉からは、おそらく「カエルの子はカエル」という例えのように、親から受け継いだ遺伝的な特徴は、親が優秀であれば子も優秀であり、親があまり優秀でなければ子も優秀ではない」という漠然としたイメージが持たれているかもしれない。
「両親はともに運動が苦手で走るのが遅かったから、子供である自分が走るのが遅くても仕方がない」。少し前までは、こんな言葉に対して違和感を持つ人はほとんどいなかっただろう。ところが、遺伝子の研究が進んでいるいま、親から受け継いだ遺伝的な特徴は、環境でいくらでも変えられるということが明らかになってきている。実際、凡庸な両親から頭脳明晰な偉人が生まれたという場合には、「トンビがタカを生んだ」と表現されることもある。親の特徴は必ずしも子供に受け継がれるわけではないことは、昔の人々も少しは理解していたようだ。
しかし、時代は大きく変わっている。いま遺伝子やDNAという言葉を使うとき、親から受け継いだ特徴とは関係なく、意図的に隠れた才能を芽吹かせ、伸ばすことが可能であると考えられているのだ。そんなことが本当に可能であれば、この世に生まれてきたすべての人間が、思い通りに幸せに生きることができるかもしれない。実際、私は自然農法によって作物を育てているが、遺伝子の最新研究を裏付けるような事実をいくつも見てきている。そのことも踏まえて、遺伝子の可能性についてお伝えしようと思う。
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