台湾国防部空軍司令部(Wei-Te Wong/Wikipedia CC)

台湾当局、中国共産党の「フェイクニュース」に重ねて警告

台湾の大陸委員会(両岸担当当局)は4日、中台間の緊張が高まるなか「中国が自国民を台湾から避難させている」との情報は偽情報だと断じた。2日にも、台湾国防部は中国国営メディアの中国空軍戦闘機の動きについて偽情報だと指摘しており、継続する情報工作に警戒するよう注意を呼びかけている。

同委員会は、中国国営中央テレビが報じた「台湾から中国人を避難させる計画」は、オンラインで拡散されているが、偽情報だと警告した。また、疑わしい情報源からの情報を信じたり広めたりすることや起訴のリスクを犯すことになると述べた。

また、「不合理な外部からの脅威」の中で国を守るという政府の決意を改めて表明した。台湾市民に向けて、落ち着きを維持し、社会を混乱させようとする試みに動揺しないよう求めた。

ペロシ米下院議長の台湾訪問を受け、人民解放軍は台湾周辺の6つの区域で4日間の実弾演習を開始した。台湾国防部は、この演習は空と海の「封鎖」に等しいと説明している。

中国国営メディアは2日夜、米国のペロシ下院議長が台湾に到着後まもなく、スホイ35戦闘機が台湾海峡を横断していると報道した。台湾国防部はこの報道を受け、「戦闘機の海峡横断はフェイクニュースだ、このような事実はない」と強調し、綿密な軍事計画のもとに台湾の安全を守る「決意、軍事力、自信」を示した。

ペロシ氏は2日夜に米政府専用機で台湾に到着した。その後すぐに、中国国営メディアはスホイ35戦闘機の台湾海峡横断を報道した。

台湾国防部はこれを受けて直ちに記事を投稿し、「戦闘機の海峡横断はフェイクニュースだ、このような事実はない」と強調した。当局は、台湾軍は共同情報監視システムにより台湾海峡周辺の海域、空域状況を十分に把握していると指摘し、中国のスホイ35戦闘機の台湾海峡横断に関する噂は事実ではないと述べた。

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