中国江蘇省蘇州市の警察官は8月上旬、日本アニメのキャラクターを扮し浴衣姿の女性を拘束した。(スクリーンショット)

江蘇省警察、浴衣でコスプレ撮影の女性を身柄拘束

中国ネット上ではこのほど、江蘇省蘇州市の男性警察官が日本の浴衣を着用している若い女性を摘発した場面を捉えた動画が拡散されている。女性は騒動挑発罪の容疑で身柄を拘束された。

女性は解放されたのち、SNS上に一部始終を投稿した。それによると、10日、地元のイベント会場で友人と2人、浴衣を着て日本のアニメ『サマータイムレンダ』のヒロイン・小舟潮に扮して写真を撮ろうとした時、警官に止められた。

動画の中で、女性は「写真を撮りに来ただけだ」と警官に説明。警官は「漢服を着ているなら、俺はこんな対応しない。でもあなたは和服を着ている。中国の要素はどこにあるのか?あなたは中国人か?協力しなければ、騒動挑発罪で署まで連行するぞ」と威圧的な口調で話した。

女性は冷静に「どうして私を怒鳴りつけるのか」と聞き返した。

身柄拘束後、警察は女性のスマホや浴衣を没収し、スマホに保存されていた写真の一部を削除した。さらに女性に反省文を書くよう要求した。警察は女性が通う大学側にも連絡し、日ごろ女性を教育するよう指示したという。

女性は「日本文化が好きだし、ヨーロッパ文化も中国文化もアニメも好き。それも罪になるのか」と話し、「本当に失望した。私には服を着る自由、言論の自由もないのだ」と嘆いた。

一部のネットユーザーは、「いっそのこと、日本料理店を全部閉鎖しなさい。じゃなければ、騒動挑発罪で告発するぞ」と皮肉の投稿をし、女性を擁護した。

なかには、中国政府の反日教育を批判するユーザーもいる。「日本は中国の経済発展を最も支援してくれている国だ。中日友好病院、北京首都空港、上海宝山鋼鉄公司などは、日本の援助を受けて作られた。中国政府はこういった事実をまったく市民に伝えず、反日映画や南京大虐殺記念活動を通じて、日本への恨みばかり煽っている。このやり方はいつまで続くのか」

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