サイバーセキュリティの確保が急務となる。写真はイメージ (Photo by SEM VAN DER WAL/ANP/AFP via Getty Images)

台湾、電光掲示板から中国製ソフトを排除へ ペロシ氏来訪時のサイバー攻撃受け

台湾当局は18日、百貨店などの商業施設を対象に、電光掲示板に中国製ソフトウェアの使用を禁止する通知を出した。ナンシー・ペロシ米下院議長の訪台時に、台湾でサイバー攻撃が相次いだことへの対応と見られる。

今月2日にペロシ氏が訪台した際、台湾各地の駅やコンビニの電光掲示板にペロシ氏の訪台を批判するメッセージが表示されるなど、ハッキングを含むシステム障害が発生した。また、政府機関を狙ったサイバー攻撃も行われ、総統府のサイトが一時的にダウンするなどの被害が出た。

台湾の蔡英文総統は5日、「中国は集中的な情報戦をしかけてくるだろう。政府機関は警戒を高め、民間企業も対応を強化して欲しい」と訴えた。

台湾の経済部(経済省に相当)によると、今回の通知は、百貨店やショッピングモールなどの各商業施設に設置されている電光掲示板のセキュリティ管理を支援するために発表したもの。

通知では、電光掲示板の管理システムについて、アンチウイルスソフトやファイアウォールなどの防御策を導入するほか、情報セキュリティリスクを低減するため、中国製ソフトウェアの使用を禁じた。中国ブランドの機器の使用も避けるべきなどと説明している。

台湾では2019年4月以降、政府機関やその委託業者などで、中国製の電子通信機器の使用が禁じられている。このほどの一連のサイバー攻撃を受け、台湾当局は今後その対象を拡大する方針だという。

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