中国のネットではこのほど、10歳くらいの少年が祖母を絞め殺す一部始終を記録した約2分余りの動画が拡散され、炎上した。(動画のスクリーンショット・大紀元合成)

中国黒龍江省、10歳男児が祖母を絞殺 傍観者ら阻止せず

中国のネットではこのほど、10歳くらいの少年が祖母を絞め殺す一部始終を記録した動画が拡散され、炎上した。

事件は中国黒龍江省綏化市の農村で起きた。動画の冒頭では、老婦が手で少年の頭を叩いていた。体罰に反抗した少年が大声で老婦を罵りながら、老婦のお腹めがけてパンチを浴びせた。老婦はすぐさま地面に倒れ込んだが、それでも気が収まらない少年はさらに地面に老婦の頭を押さえつけて、その首を両腕で締め上げた。

少年は老婦の首を絞めつけながら、「なんでいつも僕をブツんだ」などと怒りを爆発させていた。老婦は最初反抗するも、やがて力尽きて、その場に倒れ込んで動かなくなった。

丸2分の間、呻き声を発しながら老婦の首を絞めつけている少年に対し、一度「おばあちゃんを押し殺すなよ」と声がかかった。だが、そばにいた大人らは、本気でその暴行を止めようとする素振りは見せなかった。

撮影者の男性は、老婦の首を絞めつけている現場のすぐそばの椅子に腰かけて、あぐらまでかいて、時々笑い声を漏らしながら「絞殺」の一部始終を記録していた。

最終的に、大人の説得に応じて少年が手を緩めた時には、時すでに遅く、老婦は地面に倒れたまま気を失っていた。

この動画を見たネットユーザーからは「みんな狂っている」といった声が上がった。「子どもは罪悪感を持たず、傍観者はその暴行を止めなかった。さらに老婦が意識を失っていることがわかっても、誰一人応急処置を施そうとしなかった」と、動画の中の人物らの行動に衝撃を受けた人も少なくない。

地元のネット民らの書き込みによると、少年の両親は都市部への出稼ぎ労働者で、普段少年は祖父母と一緒に暮らしているという。

中国メディアは今回の事件を報道せず、SNSのウェイボー(微博)や抖音(ティックトック中国版)などに投稿された事件の動画は削除されている。

中国では両親の出稼ぎによって農村に取り残された「留守児童」と呼ばれる子ども達が深刻な社会問題になっている。その数は6000万人以上ともいわれており、国連子どもの権利委員会は2003年に、農村留守児童の教育や健康、犯罪などの問題について中国政府に勧告していた。

親子のふれあいが欠如する留守児童は、感性の低下や破壊性、敵意の増幅がみられ、情緒的に憂鬱や焦燥になりやすい。性格上偏屈で卑屈、自信のない子どもに育つ傾向があるという。

中国の貴州省では15年に4~15歳の「留守児童」兄弟4人が農薬を服用して自殺する事件が起きた。この家には食糧や貯金が残されていたことから、自殺の原因は心の問題ではないかと専門家は見ている。

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