世界保健機関(WHO)のロゴ。(Photo by FABRICE COFFRINI/AFP via Getty Images)

テドロス氏、コロナ「終息の兆し」 封鎖続く中国に市民が苦言

世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は14日、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の世界的大流行の「終わりが見えている」と述べ、終息について前向きな見通しを示した。発言は中国で注目され、封鎖が続く現状を揶揄する投稿が寄せられた。

テドロス事務局長は記者会見で、先週1週間の世界の死者数が2020年3月以来最も少ないとし、「パンデミックの終わりに向け、かつてなく良い状況だ。まだその段階ではないが、兆しは見えてきている」と話した。

同氏は「ゴールが見えてきたマラソンランナーのように、より強く走りきるべき時だ」と各国に感染防止を努め続けるよう呼びかけた。

いっぽう、中国では依然として厳格なコロナ対策を実施している。現在、100以上の都市の3億人が行動を制限されている。

都市封鎖を実施している山東省済寧市任城区の警察当局は11日、違反者への処分を発表した。それによると「無許可で住民に野菜を提供した」「自宅から出てゴミ捨てをした」「宅配便を受け取りに行った」「スーパーに買い物に出かけた」などの理由で複数の住民が7日間の勾留に処された。

中国国家鉄路集団有限公司(国営鉄道会社)はこのほど、乗客1人でも陽性が確認された場合、全列車を封鎖すると決めた。

テドロス事務局長のコメントが中国メディアによって報じられた後、SNS上で注目された。「他国はすでに河を渡ったが、我々はまだ石橋を叩いている」とユーザーらは嘆いている。

不満をあらわにした投稿が殺到したため、テドロス氏の発言を報じた記事のコメント欄は閉鎖された。一部のネットユーザーは「WHOは中国国内の政策に干渉しないでください」と中国政府の口調を真似て「ゼロコロナ政策」を揶揄した。

 

 

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