抗がん食事療法 1日3食の食材で免疫力アップ(1)

編集部注:従来の治療法は、がん細胞を殺すことを目的としていますが、健康な細胞にも害を及ぼす可能性があります。そこで濟陽式抗がん剤食事療法は、栄養と代謝を重視し、細胞免疫力を根本から高め、反対にがんが好む栄養素を遮断します。

乳酸菌/腸内の善玉菌を増やし、免疫力を高める

免疫力を高め、代謝を調整することでがんを改善する食品をご紹介します。乳酸菌、海藻、キノコ、レモン、ハチミツ、ビール酵母などです。以下、順番に摂取方法とその効果について説明します。

まず、乳酸菌。 抗がん剤の食事療法では、腸内環境を整えることが重要です。また、法則2では、腸内の悪玉菌が増えると、大腸がんなどの発がんリスクが高まるとしています。体内の善玉菌を増やして維持することができれば、悪玉菌による被害を減らすことができるため、乳酸菌はとても有効なのです。

腸内細菌の割合には個人差があり、一般的には年齢とともに悪玉菌が増えると言われています。これを年齢とともに増やさないためには、乳酸菌を積極的に摂取することが大切です。

乳酸菌は腸内の善玉菌を増やすだけでなく、「ペプトビスモ」と呼ばれる回腸の免疫機能を刺激し、免疫力を高める効果もあります。この観点からも、乳酸菌は抗がん剤食に欠かせない存在です。

ヨーグルトは最も手軽に乳酸菌を摂取できる食材です。できれば、より質の良い牛乳から作られたヨーグルトを選び、1日に300〜500gを摂取してください。良質なヨーグルトが手に入らない場合は、豆乳ヨーグルトで代用することも可能です。

近年、乳がん、卵巣がん、プロテクトがんの患者さんは、乳製品を食べないほうが良いと言われています。もちろん牛乳の質にも関係しますが、こうしたがん患者さんは、乳製品を避け、代わりに豆乳ヨーグルトを食べるのがよいでしょう。

海藻/免疫力をサポートするフコイダンを豊富に含む

海藻類には、免疫力を高める食物繊維であるフコイダンが豊富に含まれています。近畿大学医学部は、「フコイダンと抗がん剤の併用による、がんラットの寿命延長効果に関する動物実験結果」を発表しました。

また、海藻類にはカリウム、カルシウム、鉄、ヨウ素などの多くのミネラルや、アルギン酸などの食物繊維が含まれており、代謝を整えるのに有効です。

そのため、智陽式抗がんの食事療法では、昆布の新芽、昆布、ひじき、わかめなど、1日に最低1種類の海藻を摂取することが推奨されています。自宅に乾燥した海藻の新芽やひじきがあれば、水に浸けておくだけで使えます。

キノコ類/β-グルカンが免疫力の活性化を助ける

しいたけをはじめとするキノコ類には、免疫力を高めるβ-グルカンが豊富に含まれています。小腸で吸収されたβ-グルカンは、乳酸菌と同じように回腸のプラークを刺激し、リンパ球の増殖を促進する効果があるそうです。また、しいたけにはキノコプリンという成分が含まれており、動脈硬化の原因物質であるホモシステインの生成を抑制する働きがあります。

しいたけ、舞茸、エリンギ、本しめじ、きくらげ、なめこなど、家に干ししいたけを常備しておき、1日に1種類以上のきのこを食べると良いでしょう。

レモン/体力の増加となるクエン酸の原料

がんを抑えようと思ったら、体内の生化学反応である「クエン酸サイクル」で得られるATPから、細胞の熱を作り出せるようにする必要があるのです。レモンは、クエン酸サイクルに欠かせない「クエン酸」を豊富に含んでいます。

また、レモンにはサッカロミマイセス・セレビシエやビタミンCなどの抗酸化物質が多く含まれているため、抗がん作用があります。濟陽式抗がん剤食事療法では、毎日2個のレモンを食べることを推奨しています

(つづく)

(翻訳編集:香原咲)