中国の食品安全問題に、また新たな衝撃映像が加わった。広東省深圳市の飲食店で、沸騰した鍋に冷凍餃子をプラスチック袋ごと放り込み、そのまま茹でて客に提供する様子が撮影され、ネット上に拡散した。市民からは「毒を食わせるのか」「信じられない」と怒りの声が相次いでいる。
問題の動画は8月30日に撮影されたもので、店内のオープンキッチンから調理の一部始終が確認できる。映像には、店員が袋詰めの冷凍餃子をそのまま大鍋に投入し、麺類と一緒に茹でる場面が映っていた。茹で上がると袋を破り、餃子をそのまま器に移して提供している。
(餃子をプラスチック袋ごと鍋に投入する様子、2025年8月30日、中国・深圳)
視聴者からは「袋の外側には油や汚れ、印刷インクが付着している」「高温で溶けたプラスチックから有害物質が出る」といった懸念が殺到した。特に、プラスチック袋は100℃前後で化学物質を放出する恐れがあることが知られており、食品衛生の基本を無視した行為だと批判が集中した。
SNSでは「癌が増えるのは食品問題のせいだ」「氷山の一角」といった悲観的なコメントも目立つ。
日本でもレトルト食品や冷凍食品を袋ごと湯せんすることはあるが、今回のケースとは大きく違う。日本の製品は耐熱・食品用に設計された専用素材で作られており、高温でも有害物質が溶け出さないよう管理している。
しかし、対照的に深圳の飲食店では、本来は輸送や保存のためだけのビニール袋をそのまま鍋に入れており、そのため麺やスープまで汚染される恐れがある。安全性の設計と管理体制が決定的に異なるのである。
こうした不信感の背景には、中国で繰り返し報じられる食品安全スキャンダルがある。今年7月には南京の有名エビ料理店がトイレ用洗剤で食材を洗っていた事例も発覚し、大きな波紋を呼んだ。消費者の間では「一体何を信じて食べればいいのか」という諦めに近い声も広がっている。

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