2021年4月、桃園国際空港に到着したウィップス・パラオ大統領 (Photo by Sam Yeh / AFP) (Photo by SAM YEH/AFP via Getty Images)

パラオ、「高まる攻撃行為」にもかかわらず台湾支持を堅持

10月上旬、パラオのスランゲル・ウィップス・ジュニア大統領 は、「高まる攻撃行為」にもかかわらず太平洋島嶼国のパラオは台湾に対する支持を堅持すると述べた。また中国が同地域で台湾政府に対する圧力を強化する中で、台湾に対する強力な後押しを示した。

太平洋では政治的な綱引が展開されており、2019年にはキリバスとソロモン諸島が外交関係を台湾から中国に切り替えた。

人口が2万人に満たないパラオは米国の同盟国であり、台湾と正式な外交関係を維持している14か国の1つだ。しかし最近になって、中国政府は台湾を自国領土であると主張し、これまで中国の領土であったことのない台湾島を支配下に置くために武力を行使も辞さない姿勢を示している。

台北訪問中、ウィップス大統領は自由と民主主義への共通の取り組みに基づいているとして、パラオと台湾の関係を称賛した。

台湾の蔡英文総統の隣に立ち、ウィップス大統領は「パラオ国民は両国の友好を深く評価しており、同地域での高まる攻撃行為にもかかわらず、台湾支持を堅持している」と述べた。 

また、ウィップス大統領は2022年2月に発生したロシアのウクライナ侵攻を非難した。

「国際的な現状を武力で変えようとする国々の試みに直面しても、我々は軍事的緊張の緩和に向けて引き続き協力し、国際協力を促していかなければならない」と述べた。

特に8月にナンシー・ペロシ下院議長率いる米国代表団が台北を短期間訪問した後、人民解放軍が台湾付近で地域を不安定化させる軍事演習を行って以来、中国共産党から台湾への軍事的圧力が高まっている。

「台湾はパラオの友好に大いに感謝している」と蔡総統は述べた。

太平洋では、マーシャル諸島、ナウル、ツバルも台湾と外交関係を結んでいる。

米国を含むインド太平洋の提携諸国は、中国が疑わしい融資で太平洋島嶼国を誘引しようとしていると非難しているが、中国政府はこれを否定している。

台湾は医療を含む開発援助をパラオに行っている。

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