台湾総統、半導体産業巡るリスクを否定 ASMLの投資を歓迎

[台北 16日 ロイター] – 台湾の蔡英文総統は、半導体産業への投資リスクに関する「うわさ」を否定し、政府は投資を継続できるよう取り組んでいると強調した。

台湾は中国軍による威嚇を受けており、半導体業界は台湾を巡るリスクを見直している。

こうした中、蔡氏は15日にオランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングのフレデリック・シュナイダーモーヌリ最高執行責任者(COO)と会談。総統府の発表によると、COOは今後も台湾への投資を増やす方針を伝え、ASMLが台湾に5つの工場を保有し4500人以上を雇用していることに言及した。

蔡氏は声明で「世界が台湾に注目し懸念している中で、具体的な行動を示し台湾に投資しているASMLに非常に感謝している」とし「台湾のリスクを誇張するうわさを払拭するものでもある」と指摘した。

蔡英文総統はまた「台湾が民主的な友好国と協力を深め、より安全で強靭なグローバルサプライチェーンを構築する」ことを期待していると表明した。

台湾の王美華経済部長(経済相)は16日、米投資会社バークシャー・ハザウェイが台湾積体電路製造(TSMC)の株式を41億ドル以上購入したことについて、信頼感が高まると記者団に述べた。

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