ゼロコロナ政策への不満によって近年稀に見る大規模な抗議活動が各地で巻き起こっている。写真は北京市内の様子 (Photo by Kevin Frayer/Getty Images)

中国抗議デモは「30年来最大の怒り」 駐在ジャーナリストら

上海や北京など中国主要都市で行われている大規模な抗議活動について、中国駐在のジャーナリストらは近年まれに見る規模だと指摘した。米ホワイトハウスの調整官も、中国のゼロコロナ政策は現実的ではないと述べた。

27日、オランダ主要紙「トロウ(Trouw)」の記者エヴァ・ランメルー氏は抗議現場に赴いた。「中国で10年間取材を続けてきたがこれほどのことは見たことがない。(民衆の)怒りが強すぎて収まらないようだ。今後何が起こるのだろうか」と書き込んだ。

ウルムチ市内のマンション火災に起因する抗議活動は瞬く間に中国全土に広がり、上海、北京、武漢、成都などの主要都市では厳格な隔離政策やPCR検査に反発する市民が街頭に立った。「習近平、退陣しろ」「共産党、退陣しろ」とのスローガンも叫ばれ、上海などでは警察が鎮圧を行なった。

北京在住の中国問題専門家、北京首都師範大学のデービッド・モーザー教授はツイッターでこう指摘した。「私は30年間中国に住んでいるが、中国政府に対する怒りがこれほどまでに大胆に表現されているのを見たことがない。WeChatは抗議動画や激しい批判であふれかえり、市民の反発が高まりつつある。これは中国共産党の統治に対する重大な試練である。」

新型コロナウイルス感染の発生源である武漢では、住民らが金属製バリケードを壊し、PCR検査所のテントをひっくり返す映像がソーシャルメディアに流れている。

ロイター通信によると、北京では29日の未明、三環状線沿いの亮馬橋の近くに少なくとも1000人の抗議者が集まり、「マスクはいらない、自由が欲しい。COVIDテストはいらない、自由が欲しい」と訴えた。警察は解散命令を出したものの、人々は拒否していたという。

米ホワイトハウスの新型コロナウイルス(中共ウイルス)対策調整官のアシシュ・ジャー氏は27日、中国での前例のない抗議行動について、ABC Newsの取材に答えた。

「中国がゼロコロナ戦略でウイルスを封じ込めることは、非常に困難だと思う」と述べ、現実的な方法ではないとの考えを示した。そして「ロックダウンとゼロコロナ政策は今後ますます継続することが困難になるだろう」と強調した。

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