12月10日、香港法院(裁判所)は、廃刊した民主派香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)の創業者で収監中の黎智英氏(左)に対し、詐欺罪で禁錮5年9カ月の有罪判決を言い渡した。写真は2021年2月、裁判所を後にする同氏(2022年 ロイター/Tyrone Siu)

香港裁判所、蘋果日報創業者に詐欺罪でも有罪判決 米政府は非難

[香港 10日 ロイター] – 香港法院(裁判所)は10日、廃刊した民主派香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)の創業者で収監中の黎智英氏(75)に対し、詐欺罪で禁錮5年9カ月の有罪判決を言い渡した。

判決によると、黎氏は同紙本社を巡る賃貸借契約に違反した。中国政府に批判的なことで知られる同氏は、既に無許可の集会を巡る罪で服役している。

陳広池判事は判決文の中で、黎氏が「メディア組織の保護下で行動していた」と指摘。メディア界の大物を起訴したことは「報道の自由に対する攻撃と同等ではない」とした。また、罪状の大部分を認めたとして刑期を3カ月減刑した。

一方、西側諸国は黎氏の状況に懸念を表明し、中国が強要する香港国家安全維持法(国安法)の下で人権環境が悪化していると非難している。

米国務省のプライス報道官は声明の中で「いかなる客観的尺度から見ても、この結果は公平でも公正でもない。われわれは中国当局に対し、香港における報道を含む表現の自由を尊重するよう再度要求する」とした。

今回の判決とは別に、黎氏が関わる国安法裁判は13日に再開される予定。

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