棚が空っぽになった北京の薬局。2022年12月15日撮影。(YUXUAN ZHANG/AFP via Getty Images)

「イブプロフェン輸出大国」にもかかわらず 中国では深刻な薬不足

中国政府が「ゼロコロナ政策」を打ち切ってから、約2週間が過ぎた。現在、各地で感染が急拡大中で、北京などの大都市では病院の発熱外来に患者が殺到して、病院も火葬場も多忙を極める状態である。

深刻な医薬品不足で薬が買えない市民が多く、一部の薬は通常の18倍まで価格が高騰している。

中国は言わずと知れた製薬大国だ。鎮痛剤・イブプロフェンは、世界の生産能力の3分の1を占めている。しかし、イブプロフェンの輸出大国である中国の国民ですら入手するのに苦労している。薬を求める市民らは薬局だけでなく、製薬工場の門前にまで直接並ぶようになり、長蛇の列を捉えた動画などがネット上に流れている。

▶ 続きを読む
関連記事
「仕事がなくなったら、とりあえず配達員」。中国では長く、そう言われてきた。しかし今、その常識が変わろうとしている。AIは失業者の「最後の受け皿」にも及び始めた
「暑いので途中まで乗せてほしい」。その頼みを聞いて約40キロ送った運転手。しかし目的地直前、高齢男性は突然「金を払え」と脅し始めた。なぜ中国では、善意が裏切られる事件が後を絶たないのか
北京市で最も高いランドマークである「中国尊」に飛行機が直接衝突した事件が、世界的に大きな注目を集めた。分析では、北京の防空システムが突破されたことで、複数の空域上の脆弱性が浮き彫りになったと指摘されている
かつて予約困難だった中国の農村レジャー施設が、いま全国で次々と閉店。中国人の「週末の癒やし」に何が起きたのか。現地取材から見えた、不況だけではない客離れの理由
中国映画『スパイを捕まえろ』が思わぬ波紋を広げた。コメント欄には「本当に捕まえるべきは汚職官僚だ」という国民の本音があふれた。日本とはまったく異なる、中国で「スパイ」という言葉が持つ重い意味とは