12月25日、中国軍は、台湾周辺の海空域で複数の軍種による火力を用いた統合軍事演習を行ったと発表した。台湾と米国からの挑発への対抗措置だと主張した。写真は香港で販売される新聞。8月5日撮影(2022年 ロイター/Tyrone Siu)

中国軍、台湾周辺で演習 米台の挑発に対抗と主張

[北京/台北 25日 ロイター] – 中国軍は、25日に台湾周辺の海空域で複数の軍種による火力を用いた統合軍事演習を行ったと発表した。台湾と米国からの挑発への対抗措置だと主張した。

人民解放軍東部戦区の声明によると、戦闘準備態勢を点検する統合軍事演習も行われた。台湾周辺のどの場所で行われたかは明らかにしなかった。「現在エスカレートしている米国と台湾の結託と挑発に対する断固とした対応」としたが詳しい説明はなかった。

各戦区の部隊は「国家主権と領土の一体性を断固として守るため、必要なあらゆる手段を講じる」と強調した。

台湾国防部(国防省)は、中国の行動は「武力によって意見の相違を解消し、地域の平和と安定を破壊するという精神性を再び浮き彫りにするものだ」と批判。

米台協力は、インド太平洋地域の自由、開放性、平和と安定に寄与しており、台湾は敵の脅威と自衛の必要性に応じて、引き続き軍備を強化すると表明した。

「中国共産党の『軍事的威嚇』行為は、明らかに台湾の人々をおびえさせる狙いがあり、(中国の)国際イメージに資するものではない」とも指摘した。

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