2022年12月7日,中国北京。(Kevin Frayer/Getty Images)

中国当局、内部文書で「国民にとことん感染」…体制維持危ぶまれゼロコロナ放棄か

「国民にとことん感染させる」ーー。中国政府の新たな政策がネット上で噂になっている。大紀元が入手した中国政府の内部文書によると、当局は3年続いた厳しい封鎖により体制維持が危ぶまれたと指摘。政権崩壊を防ぐため、厳しい感染対策ゼロコロナの放棄を選んだという。

中国共産党(中共)上層部が地方政府に出した「指示文書」によれば、政権維持のためにいち早く経済活動を再開するよう要求。そのために「国民には『とことん感染』させていち早く感染ピークを乗り越え、両会(今年3月開催予定の中国人民政治協商会議及び全国人民代表大会)前には集団免疫を獲得」させるよう指示した。

政策の急変に国民は準備が整わず、中国社会は混乱に陥った。政府の指示を受けた地方政府や企業はあわてて「新方針」を導入したが、コロナ感染しても出勤する職員が相次いだ。医療系統は感染爆発に追いつかず、薬不足も深刻化し、多くの死者が出ている。

上海の政府機関で働く宋さん(仮名)は昨年12月27日、大紀元の取材に対し、上海市の感染拡大ペースについて上層部から叱責された、と明かした。

「現在、上海ではほとんどの人が感染している。それにも関わらず、中央の監視チームから『上海の感染拡大ペースが遅い、もっとペースを上げろ』とのお叱りを受けた」

宗さんによると、「多くの人が死んだ」という報告に対しても、上層部は「できるだけ感染させろ、死ぬ人は出来るだけ早く死なせるが良い」という方針を貫いている。「3月には生産活動を再開しないと、もうやっていけない」ほど、上層部は焦りを見せているのだという。

上海市の西側に位置する江蘇省無錫市でも、市の政府関係者が、江蘇省当局から「感染拡大のペースが遅い!」と叱られたと暴露したことが話題となった。その際当局は、「3月までにほとんどの人が感染すれば、経済は正常に戻る」と述べたという。

中国では、財源不足により年金制度の維持が難しくなっており、中央政府も政権維持が危機的状況を迎えている。当局はこれらを打開するため、国民に高い感染力を持つ変異ウイルスに「とことん感染」させて自然免疫獲得を重視し、経済活動を早急に再開させる方針のようだ。

関連記事
世界保健機関(WHO)は、人々の健康促進に取り組んでいると自称している。しかし、新型コロナの対応において、中国共産党の代弁者として振る舞い続けたなどの理由で、WHOの中立性が疑問視されている。
米疾病対策センター(CDC)は、現在検討中の新型コロナウイルス感染症に関する新指針で、感染者への5日間の隔離推奨を撤廃する方針だと、13日付の米紙ワシントン・ポスト(WP)が報じた。
昨年発表されたある症例研究では、コロナワクチン接種が抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎の発症を誘発し、多臓器を損傷する可能性があることが示された。
ワクチン接種の普及に伴い、コロナワクチンに関連した副作用や有害事象の発生が明らかに増加している。研究では、コロナワクチンとたこつぼ心筋症(一時的な心筋障害)との潜在的な関連性がある可能性が明らかにされた
2021年下半期以降、公務員の給与削減の波は中国のほぼすべての省に広がり、手当やボーナスのカット・廃止も行われている。事情に詳しい市民が大紀元に語ったところによると、給与削減の波は公務員から軍隊、軍事工業研究機関にまで広がっているとのこと。