2018年11月2日、香港で展示された「虎の椅子」(Photo by Anthony WALLACE / AFP) / RESTRICTED TO EDITORIAL USE - MANDATORY MENTION OF THE ARTIST UPON PUBLICATION - TO ILLUSTRATE THE EVENT AS SPECIFIED IN THE CAPTION (Photo credit should read ANTHONY WALLACE/AFP via Getty Images)

中国監視カメラ大手ハイクビジョン、尋問にも協力 拷問器具で心拍数測定も=報告

中国監視カメラ大手ハイクビジョンは中国共産党の腐敗問題への対処にも協力している。かねて同社は拷問器具「虎の椅子」を含む尋問も支援していると指摘されてきた。AI監視カメラは公安警察への警報システムも備えており、共産党当局との深いつながりが改めて浮き彫りとなった。

情報分析IPVMによれば、腐敗問題調査の協力についてハイクビジョン自身は公表はしていない。しかし、政府調達文書やその他の公式記録で言及されている。

同社製品「Infovision CDI(インフォビジョンCDI、纪检监察综合管理平台)」は規律検査と監督のための包括的管理プラットフォームとされる。中国公安部は2019年にこのシステムを承認した。CDIとは、党内の腐敗を調査する中央規律検査委員会(CCDI)を指すとみられる。

甘粛省や深圳市の入札資料によれば、インフォビジョンCDIは「睡眠」や「激烈な運動」など対象者の言動を監視し刑務官に通報する。政府はソフトの入札で「知能行動分析システム・ソフト(智能行为分析系统软件)」と説明している。

インフォビジョンという名前は、中国政府の需要に合わせたハイクビジョンの監視システムに使用される。ハイクビジョンの人間監視「Infovision IoT(インフォビジョンIoT)」には法輪功学習者や抗議者に対する通報機能があることが、以前のIPVMの調査で判明した。

エポックタイムズはインフォビジョンについて問い合わせたが、記事発表までに回答は得られなかった。

取り調べ室で…心拍数を測るAIカメラ

IPVMは昨年7月、収容施設における収監者の行動監視のために、監視カメラを使い生体データや行動分析をしていると報告した。

拷問器具である「虎の椅子」に拘束された拘禁者を、複数台のハイクビジョンの監視カメラから撮影することで、心拍数や血圧、血中酸素濃度などを示す「バイタルサインのリアルタイムモニタリング」も行っている。効果的な器具の活用を支援するシステムとして同社の説明書には解説されている。

虎の椅子とは、刑務官が拘禁者を数時間から数日間にわたって縛り付けて睡眠を奪い、足や臀部が腫れるまで固定する拷問器具。

中国は1979年に、国連の定める拷問等禁止条約に批准し、中国最高裁判所も2013年に拷問禁止を決定した。しかし、警察は自白と取り調べのために虎の椅子を使用することを正当化している。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのインタビューに応じた元拘禁者によると「反腐敗キャンペーン」で調査された党員は、虎の椅子に9日間連続で座ることを強いられ、トイレに行くことは許されず、昼夜問わず尋問を受けたという。

米国は昨年11月、国家安全保障の脅威となりえるとして、ハイクビジョンを含む中国監視カメラ大手ハイテラ、ダーファなどの機器の輸入・販売承認を禁止する行政命令を出している。英国も同様の理由で政府機関などにおける同社機器の設置禁止を決めた。

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