2019年11月8日、ニューヨーク市クイーンズ区で大紀元のインタビューを受けるNY市警警察官のバイマダジ・アングワン被告(大紀元)

米連邦検察、中国スパイを不起訴処分 越境弾圧に関与

米ニューヨークの連邦検察は14日、中国共産主義政権のためにスパイ活動を行った疑いで起訴されていたニューヨーク市警のバイマダジ・アングワン(Baimadajie Angwang)被告を不起訴処分とした。

チベットで生まれ米国に帰化したアングワン被告は、2014年からニューヨークの中国総領事館に現地のチベット人に関する情報を提供していたとして、2020年9月に逮捕された。そのほか通信詐欺、虚偽の陳述、公務執行妨害の容疑でも起訴されており、全ての罪状で有罪となれば、最高55年の禁固刑に直面することになっていた。

アングワン被告が中国に渡したとされる資料には、現地のチベット人に関する情報のほか、中国共産党の情報機関「統一戦線工作部」の下部組織「中国チベット文化保存発展協会」と緊密に連携し、中国共産党に異論を唱える者への越境弾圧に関与していたことも示されていた。

連邦捜査局(FBI)のアラン・E・コーラー部長補佐は当時、「最大の防諜上の脅威である中国共産党のために地域社会とニューヨーク市警の信頼を裏切るアングワン被告の行為は、断じて許されるものではない」と発言していた。

ニューヨークの連邦検察は不起訴処分とした理由について、捜査の結果「容疑に関わる追加情報」が得られたと述べるに留め、詳細は明らかにしていない。

アングワン氏の弁護士ジョン・F・カーマン氏は米ニューヨーク・ポストに寄せた声明の中で、米陸軍予備軍として勤務した経験のあるアングワン被告について「政府は彼をタリバンの指導者のように扱った」と非難した。

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