2020年6月17日、欧州委員会でビデオ会見するティエリー・ブルトン氏 (Kenzo Tribouillard/POOL/AFP via Getty Images)

欧州委員会、TikTokがEU規則順守しなければ「禁止する」

欧州委員会のティエリー・ブルトン氏は19日、中国動画投稿アプリ「TikTok」が利用者の基本的権利を保護するEU・デジタルサービス法(DSA)順守しなければアプリを「禁止する」と言明した。

TikTokの周受資・最高経営責任者(CEO)とのビデオ会談で、ユーザーが「有害で、時には生命を脅かすコンテンツ」に数秒でアクセスできることは「容認できない」と強調。EU規則を順守しなければ「市民を守るためにあらゆる制裁措置を取る」と発言した。

同アプリのアルゴリズムは、気絶するまで自身の首を紐などで締めることを試す「失神ゲーム」やポルノ、薬物関連の動画を未成年の関連動画ページに表示していた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などの調査で明らかになった。

大手オンライン企業を対象に9月に施行される予定のデジタルサービス法は、オンライン上の有害なコンテンツを排除すること企業に義務付ける。EUの執行委員会のメンバーは今月初旬にも周受資氏と会談し、「欧州のユーザーのデータが危険に晒されることがあってはならない」とEU法を尊重するよう求めていた。

TikTokの広報担当者はビデオ会談を受けて、デジタルサービス法および他のEU規則を順守するとしている。

会談でブルトン氏は、同アプリ運営会社バイトダンスの社員が米国のジャーナリストの個人情報に不正にアクセスしていたことや、情報流出問題にも懸念を示した。

同アプリをめぐっては、引き抜かれた個人情報が中国政府に共有され、国家の安全保障を脅かす事態につながり得るといったリスクが指摘されている。現在、27以上の州でTikTokを含む複数の中国アプリを州政府の機器で使用することを禁じている。米議会下院事務局も先月、下院の電子端末からTikTokを排除するよう全関係者に通達した。

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