マイケル・マッコール議員。2022年4月28日撮影 (Chip Somodevilla/Getty Images)

米下院外交委員長、2025年の台湾侵攻「可能性高い」

米国のマイケル・マッコール下院外交委員長は、2025年までに中国が台湾に侵攻する可能性が高いと米空軍航空機動軍団司令官のマイク・ミニハン大将が警告したことをめぐり、「残念ながら彼は正しいと思う」と発言した。

米各社は27日、ミニハン氏が内部のメモで、2025年までに台湾有事が発生し、米中戦争が起こり得ると警告したと報じた。メモは指揮下の将校らに送られたもので、米国防総省報道官は「ミニハン大将が送ったのは事実だ」と回答している。

マッコール氏は29日、FOXニュースでミニハン氏の発言が「間違っていることを望む」とした上で「米国と台湾で行われる2024年の選挙の隙に乗じて」中国が行動を起こす可能性があると警告した。

さらに、香港のように中国共産党の完全な支配下に置くことができなければ「軍事侵攻を視野に入れるだろう。我々はこれに備えなければならない」と強調した。

台湾侵攻の時期について、予想より早まる可能性があるとする米高官などの発言が相次いでいる。米インド太平洋軍のデービッドソン前司令官は台湾危機が2027年までに顕現する恐れがあると警告した。

そのほか、米国では中国への制裁措置を計画する法案などが提出されるなど、緊急時の対応計画を強化する動きが強まっている。

いっぽうで、FOXニュースに出演した下院軍事委員会のアダム・スミス議員は台湾有事説に疑問を投げかけた。「台湾侵攻の可能性は極めて低い」とした上で「将軍は発言に非常に慎重であるべきだ。米国が中国と戦争になると発言するべきでない」と述べた。

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