シャーマン米国務副長官は、米政府は中国が米議員の台湾訪問を軍事行動の口実としないよう望んでいるとし、全ての国が中国に対し台湾を巡る紛争について警告しなくてはならないと述べた。 2月9日、ワシントンで撮影(2023年 ロイター/Amanda Andrade-Rhoades/File Photo)

全ての国は中国に「台湾紛争巡る警告」を=米国務副長官

[ワシントン 15日 ロイター] – シャーマン米国務副長官は15日、米政府は中国が米議員の台湾訪問を軍事行動の口実としないよう望んでいるとし、全ての国が中国に対し台湾を巡る紛争について警告しなくてはならないと述べた。

米中関係は、昨年8月にペロシ前下院議長が台湾を訪問したことで悪化。その後も米議員の訪台が相次ぎ、今年1月に就任したマッカーシー下院議長も春か夏に訪問する可能性がある。

シャーマン副長官はワシントンのシンクタンク、ブルッキングス研究所で開かれたイベントで、米国は「一つの中国政策」の下で台湾と台湾の自衛能力を支援すると確約しているとし、「中国が米議員の台湾訪問を軍事行動の口実にしないよう望んでいる」と述べた。

その上で、ロシアによるウクライナ侵攻を引き合いに出し、この戦争で世界中のエネルギーと食料の安全保障が揺らぎ、インフレ圧力も高まったと指摘。「台湾海峡における紛争でも同様のことが起こる」とし、全ての国が中国に対し、台湾海峡における紛争は「良い考えではない」と伝えるよう呼びかけると述べた。

このほか、中国がウクライナ紛争の終結に向けた仲介を支援するとしながらも、ロシアと「無制限」のパートナーシップを結び、ウクライナ侵攻を支援していることに、米政府は「懸念を強めている」と指摘。中国はこの二つを両立することはできないとし、ロシアによるウクライナ侵攻を支援すれば、数多くの問題に直面することになると語った。

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