台湾の蔡英文総統は、中米訪問の経由地である米国のニューヨークで支持者に対し、台湾と米国はかつてないほど緊密な関係にあると語った。30日、ニューヨークで撮影(2023年 ロイター/Jeenah Moon)

台湾の蔡総統がNYで講演、「米台関係かつてないほど緊密」

[ニューヨーク/ワシントン/台北 30日 ロイター] – 台湾の蔡英文総統は、中米訪問の経由地である米国のニューヨークで支持者に対し、台湾と米国はかつてないほど緊密な関係にあると語った。蔡総統が米国に立ち寄っていることに中国は反発しているが、これまでのところ、通常と異なる軍事行動は見られていない。

蔡総統は台湾と外交関係があるグアテマラとベリーズ歴訪を前に経由地の米国に29日に到着し、4月1日までニューヨークに滞在。中米訪問後にロサンゼルスに立ち寄り、マッカーシー下院議長と会談する可能性がある。

蔡氏は29日夜にニューヨークの在外台湾人を対象に行った非公開の講演で、台湾の経済、安全保障、外交成果に言及した上で、台湾は「アジアにおける民主主義の導き手」だと表明。経済と安全保障の協力で「大きな進展」があったとし、「台湾と米国の関係はこれまでになく緊密だ」と述べた。

その上で、米アリゾナ州に半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が工場を建設する計画は、台湾の技術力を証明していると語った。

また、台湾は「大きな挑戦」に直面しているものの、孤立することはないと表明。兵器売却を含む米国の台湾との安全保障協定に謝意を示した。

関係筋によると、蔡総統は30日にシンクタンクのハドソン研究所で講演を行う予定だが、台湾の事実上の在米大使館の役割を果たしている駐米台北経済文化代表処によると、報道陣や一般市民には非公開という。

台湾の国防部(国防省)は、蔡総統が米国に到着した29日から30日にかけて中国軍機が台湾海峡の中間線を越えた形跡はないと発表。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官も30日、記者団に対し「蔡総統の米国経由での移動に対し、中国の具体的な反応は見られていない」と述べた。

蔡総統が米国を経由するのは2016年の就任以来、今回が7回目。前回の経由は19年だった。

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