4月15日、ブリンケン米国務長官(左)は、ベトナムの首都ハノイで同国最高指導者グエン・フー・チョン共産党書記長やファム・ミン・チン首相(右)らと会談した。代表撮影(2023年 ロイター)

米国務長官がベトナム初訪問、最高指導者らと会談

[ハノイ 15日 ロイター] – ブリンケン米国務長官は15日、ベトナムの首都ハノイで同国最高指導者グエン・フー・チョン共産党書記長やファム・ミン・チン首相らと会談した。ブリンケン氏がベトナムを訪問したのは国務長官就任後初めて。

米国は中国に対抗するために東南アジア諸国との結びつきを強めることを目指しており、ブリンケン氏はベトナムに対しても二国間関係の強化を働きかけた。

ブリンケン氏は記者団に、両国の関係において重要な要素は安全保障で、米政府がベトナムに3隻目の沿岸警備艇を供与する手続きの最終段階に入っている点を挙げて、この安全保障分野の協力は拡大していると指摘した。

またブリンケン氏は、二国間関係強化の正式な取り決めについても、数週間から数カ月以内に実現する可能性があるとの期待を示した。

ただ専門家の間からは、ベトナムが米国と連携をさらに強めるかどうか懐疑的な声も出ている。ベトナムとしては、米国と接近しすぎて中国を無用に刺激するのを避けたいからだ。

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