研究:新型オメガ-3オイルによる糖尿病眼部病変の改善が期待される(1)

新型のオメガ-3脂肪酸(omega-3)は血液から網膜に入ることができ、それによって糖尿病やアルツハイマー病などに関連する視力低下、および加齢黄斑変性(AMD)の治療に役立ちます。黄斑変性は失明の主な原因です。

新型のオメガ-3脂肪酸

イリノイ大学医学部(the University of Illinois)の科学者は、経口投与後に眼に移動しやすい新型オメガ-3脂肪酸オイルを開発しました。

「オメガ-3脂肪酸は主に魚油に含まれる不飽和脂肪酸です」ニューヨーク高度眼科医療研究所の所長で、マウント・サイナイ・アイカーン大学(Mount Sinai’s Icahn School of Medicine)眼科臨床助教授ダニエル・ラロッシュ(Daniel Laroche)医師は大紀元時報に語りました。

彼は、オメガ-3脂肪酸は人体全体の成長と発育に不可欠であるため、誰もが食事にそれらを加えるべきだと強調しました。

研究者は、オメガ-3脂肪酸は目の健康に重要ですが、現在の処方は通常トリアシルグリセリン-DHA(TAG-DHA)の形で存在し、摂取しても眼に届かないと主張しています。

DHA(ドコサヘキサエン酸)は、眼の健康維持に重要なオメガ-3脂肪酸です。私たちの網膜と脳には最高濃度のDHAが含まれていますが、体内では私たちの生存に必要な量を作ることができないので、食事やサプリメントを通じてそれを取得しなければなりません。

加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、アルツハイマー病患者の網膜におけるDHAレベルは一般的に低くなっています。

この研究では、科学者たちは新しい溶血リン脂質形式のDHA、またはLPC-DHAを開発しました。マウステストでは、網膜のDHAを増加させ、アルツハイマー病の過程に関連する眼の問題を減少させることに成功しました。

「経口で摂取できるLPC-DHAは、網膜DHAの増加においてTAG-DHAより大幅に優れており、患者のさまざまな網膜症に有益な可能性があります」と、3月25~28日にシアトルで行われた米国生物化学・分子生物学学会年次総会で、イリノイ大学シカゴ校、医学部研究助教授のスガシニ・ダバマ(Sugasini Dhavamani)氏は発表しました。

「この方法はアルツハイマー病や糖尿病に関連する網膜機能障害を予防し、または緩和するための新しい治療法を提供できます」とダバマ氏は述べています。

オメガ-3脂肪酸は眼の病気を予防する

研究者はLPC-DHAが現在使用可能なDHAサプリメント(魚油とオキアミ油を含む)より優れているという推定を確認できたとしています。網膜中のDHAを増加させ、早期のアルツハイマー病の発症や網膜症の予防を動物実験において確認しています。

「私たちはここで初めて、正常な成人マウスの体内で低用量のLPC-DHAを網膜DHAでほぼ100%増加させることを証明できた」とダバマ氏は述べています。

研究者は、人間の1日あたりの用量、250 ~ 500ミリグラム相当をマウスに使用しましたが、アルツハイマー病のマウステストにおいて、食事TAG-DHA、またはサプリメント中の遊離DHAでは、網膜DHAを効果的に増加させることはできませんでした。

この発見は、糖尿病性の網膜症のような他の網膜疾患を予防する方法、視力の喪失やぼやけを引き起こすAMD(加齢黄斑変性症)の開発にも役立つ可能性があります。

(つづく)
 

エポックタイムズの健康・ヘルス関連記者。