游錫堃立法院長(右3)は人権弁護士の朱婉琪氏(中央)や中国臓器狩り問題に取り組むNPO「TAICOT」の王舒眉理事長(左3)らと会談した(游錫堃立法院長提供)

台湾、臓器狩り撲滅向け法整備 立法院長「来週にも審議入り」

中国共産党による臓器狩りが各国で問題視されるなか、台湾の游錫堃立法院長(議長に相当)は13日、臓器狩り撲滅に向けた法整備に意欲を示した。台湾議員が提出した、臓器狩り行為への加担を禁止する法案は多くの議員の賛同を得ており、早ければ来週にも審議入りする。

「臓器狩りは国連によって人道に対する罪として認定されている。人権を重んじる台湾は、立法を進めるべきだ」と游錫堃氏は指摘した。3月、米下院で「2023年強制臓器摘出停止法案(Stop Forced Organ Harvesting Act of 2023)」が賛成413票反対2票の圧倒的多数で通過したことを引き合いに出し、臓器狩りを禁じる立法措置は国際的な潮流だと記した。

米国の法案を提出したクリス・スミス議員(共和党)は採決に際し、中国では毎年およそ6〜10万人が中国当局によって臓器を強制的に摘出され、命を落としていると強調した。カナダでも関連法案が国会を通過したほか、日本や韓国でも積極的な動きが見られると游氏は語った。

台湾では許智傑立法委員(議員に相当)が提出した法案が多くの支持を集めている。「立法院職権行使法」の規定によれば、議員立法には15人以上の議員の署名が必要とされている。臓器狩り禁止法案はすでに37人の超党派議員の署名を集めており、これは議員定数の3分の1に迫る数だ。

游錫堃氏は法案提出に先立ち、中国の臓器狩り問題に取り組むNPO「台湾国際臓器移植関懐協会(TAICOT)」理事長の王舒眉氏や人権弁護士の朱婉琪氏らを立法院に招き、臓器狩り禁止法案の成立に向けて議論を重ねていると明らかにした。

游氏は「臓器移植を行う場合、不透明な臓器提供元や人身売買、さらには組織的な生体臓器収奪などの問題に関わる可能性がある」とし、「台湾の人々が人道に対する罪の共犯者にならないことを望む」と注意喚起を行なった。

4月、游氏は台湾を訪問した9カ国の人権専門家からなる訪問団と会談した。その際、国連から諮問資格を与えられているNGO組織「良心の自由のための団体と個人の連携(CAP-LC)」の代表ティエリ・ヴァレ氏は台湾の立法活動に強い支持を示した。

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