湖北省武漢市内の病院の手術室、2020年3月撮影。参考写真(Photo by STR/AFP via Getty Images)

「中国の病院地下室、常に十数人いた」医師や生き証人が語った“臓器狩りの巣窟”とは

米ニューヨーク拠点のNGO団体である追査国際(WOIPFG)は、中国における臓器の強制摘出に関する新たな文書を公表した。そこには法輪功学習者による命懸けの訴えが細かに記録されていた。

「助けて」腎臓を抜きられた女性 命がけの”遺言”…中国の医師が記録

強制的な臓器摘出の犠牲となったハルビン市の張秀琴さんは、生死のはざまで、これまで省政府や北京へと法輪功迫害停止のため陳情に赴いたこと、連行され労働教育を強いられたこと、家族が受けた嫌がらせなどを詳細に語った。

遺体処理担当の医師は張さんの求めに応じ、明け方まで彼女の最後の言葉を映像に記録した。その後、張さんから知らされた2件の住所へと記録を届けたという。最終的に、2020年までにWOIPFGがこの情報を入手した。

WOIPFGは、中国共産党の法輪功迫害がまだ続いているため、映像に映る関係者たちの安全を考慮し、現在は公開を見送っている。

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臓器狩りの巣窟

WOIPFGは、張秀琴さんの遺体処理を担当した医師が勤務していた人民解放軍聯勤保障部隊第962病院(旧称:第211病院)感染症科は「臓器狩りの巣窟」であったとみている。

張さんの発言によれば、彼女は健康診断を経て病院の地下室に収容されていたが、そこには常に十数人の法輪功学習者が収容されていた。彼女らは不定期にどこかへ連れ出され、そのまま戻ってこない。数日後には新しい法輪功学習者が入室するといった状態が続いていたという。

医師は証言のなかで、臓器狩りの証拠隠滅のため、この感染症科は選ばれた可能性があると語っている。「感染症科はそもそも手術後の遺体の処理をすること、つまり密封して滅菌した後、直接火葬することが義務付けられている」「非常に密かに行われ、証拠隠滅に都合がいいのだ」

公開情報によれば、第962病院は臓器移植事業を行なっているとの説明はない。また、張さんの遺体の処理をした医師が、臓器移植を担当した医師が同病院の医師ではなく、毎回同じでもないと語っていることから、複数の病院がこの事件に関与している可能性がある。

中国政府は15年、臓器移植のために死刑囚の臓器を使用することをやめると宣言し、市民の無償提供が臓器移植の唯一の提供元だとした。しかし、張さんの事件は19年4月に起きている。このことから、中国共産党が「無実の囚人」からの強制的な臓器摘出をいまなお続けていることを改めて証明しているとWOIPFGは指摘する。

WOIPFGは十年以上にわたり、法輪功学習者への迫害に関与した加害者について中国全土を対象とした系統的な調査を実施している。調査員の電話取材による強制的な臓器摘出に関わる医師や医療従事者、共産党幹部らの発言記録を音声や文章で公開している。

次回の記事では、名前を明らかにされたハルビン市の病院や地方政府による動きを書いていく。

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