BEIJING - JANUARY 26: Chinese citizens pray at the Lama temple to mark the Chinese New Year on January 26, 2009 in Beijing, China. The Chinese New Year of the Ox begins on January 26. (Photo by Guang Niu/Getty Images)

中国共産党の人口動態調査と学者の警告:偽造データが経済危機をもたらす

中国国家統計局は、現在、人口動向のサンプル調査を実施している。一方で、ある学者は、中国経済が深刻な危機に瀕しているとし、その主要な理由として、中国共産党による多くの政策が不正確で勝手に捏造された「人口データ」に基づいて形成されていると指摘している。

中国国家統計局は、10月10日の公式発表において、「2023年の人口動態サンプル調査」を全国で開始すると述べた。調査の範囲は、都市と農村地域を含み、調査基準時点は今年の11月1日0時である。具体的な現地での調査活動は、10月10日~11月30日までの期間に行われる予定である。

調査の項目は、基本情報(名前、性別、年齢、民族、教育レベル、ID番号)に加え、移動・移住、職業、結婚・出産、死亡、住居状況なども含まれる。公告によれば、政府の統計調査機関は、調査員を各家庭に派遣するか、調査対象者がオンラインで情報を提出することを求めているという。

昨年12月、習近平政権は、3年にわたる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する「ゼロコロナ政策」を放棄した。半年以上が経過するも、中国経済の回復の兆しは未だ見られない。

逆に、中国の輸出額は連続して減少し、株式市場は厳しい状況にある。地方政府の借金は危機的水準に達し、不動産企業が次々と破綻し、それに伴う金融リスクが金融システム、さらには中国経済全体を崩壊させる可能性を秘めている。

オーストラリアに住む元北京首都師範大学の副教授、李元華氏は、10月15日、大紀元に対し、中国の人口は既に全面的な減少に入っていると指摘し、中国共産党のすべての政策が虚偽の人口データに基づいているため、経済全体が深刻な危機に直面しているとの見解を述べている。

また、中国は高齢化が進み、若年労働力が不足し、新生児の出生率も著しく低いため、これまで人口増加をテコにしていた経済モデルが完全に崩壊しているとも言える。

人口データは国家統治において極めて重要であり、社会、経済、政治、国防、外交など多くの面で影響を及ぼす。

李元華氏によれば、中国の人口データは複数の層を通じて水増しされており、中国の実際の人口がどれだけであるかは、世界にとっても大きな謎であるとされている。

■公式データは少なくとも3回の水増しが疑われる

中国の2020年の人口調査において公式に発表されたデータによれば、中国の人口は14億1千万人である。発表が予定より半年遅れとなったことから、外部ではこのデータが大幅に水増しされたものであると、広範に懐疑的見解が存在する。

金融専門家であるアカウント名「財經冷眼」は2020年末の自身のメディアプログラムで、このデータは少なくとも3回の水増しを経ているとの見解を表明している。

第一に、計画出産の利益集団が、集団の利益を増進するために原始データを過剰に報告している。

第二に、農民労働者が都市へ移住した後、人口データを重複報告しており、これによって子供たちが都市での教育特典を享受できるとともに、農村の土地利益を保持できる。つまり、農村と都市に住所があることで、農村では土地利益、都市では子供に教育を受けさせられるということ。だが、人口統計は2倍に水増しされてしまう。

第三に、計画出産委員会がデータを「人工修正」(実際はデータを捏造)している。

「財經冷眼」は、2020年の中国の人口は実際には12億7千万人であったと推定している。彼は、「私は責任を持って皆さんにお伝えしますが、当時の中国の実際の総人口は12億7千万人であり、そしてこれは今後も減少し続けるでしょう」と述べた。

■3年間のパンデミックによる中国の人口の急減

数年にわたるパンデミックの猛威を受け、中国の人口はさらに急激に減少している。

今年の1月末には、中国国家統計局が、2022年末の中国全体の人口が前年より減少し、全年の出生人口が956万人、出生率が千人あたり6.77であると認め、これは1949年の中国共産党政権樹立以来の最低であるという。

1979年~2015年まで、中国共産党は30年以上にわたって「一人っ子政策」を実施し、その後「二人っ子政策」に変更、2021年5月末以降は「三人っ子政策」へと変更されている。しかしながら、30年以上にわたる「一人っ子政策」期間中の年間出生人口は、2022年の「三人っ子政策」下での出生人口を大きく上回っている。

1959年~1961年の間に中国で大飢饉が発生し、少なくとも3600万人が飢え死にし、出生人口は断崖のように減少した。この3年間の中国の出生人口はそれぞれ1635万人、1402万人、949万人だった。

すなわち、2022年の出生人口は大飢饉時代の平均レベルを下回り、1961年の最低レベルに迫るものであり、そして1961年時点での中国の人口は6億6千万人であった。

2020年~2022年にかけての3年間のパンデミック期間中に中国で実際に亡くなった人々の数についても、このような出生レベルになるに至った要因は何であったのか、という疑問が浮上している。

2023年1月15日に、法輪大法の創始者、李洪志師による開示があった。それによれば、過去3年以上も中国共産党は感染症の情報を秘匿してきたとされる。中国におけるパンデミックによる死者数はすでに4億人に達し、パンデミックが終息した時点で、中国では5億人が死亡している可能性があるという。

このパンデミックにおける死亡者は、直接的な死亡者だけでなく、中国共産党の厳格な封じ込め政策により社会活動が停止し、自宅に閉じ込められた多くの人が飢え死にしている。また、一部の重篤な患者は、治療を受ける機会を得られず死亡している。ストレスに耐え切れなくなった住民がビルから飛び降り自殺を選び、妊娠している女性が医療を拒否され、流産している事例も報告されている。

■中国の現在の人口分析

2022年7月初旬、あるハッカーがハッカーフォーラム「Breach Forums」に投稿を行い、上海の公安部から取得したと主張する最大23TBの膨大なデータを販売している。このデータは、2022年6月にアリババクラウドから盗まれたものであるとされている。

異なる研究者が確認した結果、データベースには9億7千万人の中国市民の情報が含まれていることが明らかになった。データの真実性を確かめるため、売り手は75万件のサンプルデータセットを提供している。複数の検証を経て、漏洩した情報の正確さが確認されている。

時事評論家の李正寬氏は、スマートサーチサーバーのパフォーマンス分析を通じて、上海公安局がアリババクラウドにアップロードしたデータベースは、おそらく部分的なデータではなく、ほぼ確実に中国の全体のデータであると主張している。したがって、2022年時点での中国の人口は9億7千万人と解釈される。

先に「財經冷眼」のデータでは、2020年の中国の人口は12億8千万人とされていた。もし2022年に9億7千万人に減少しているならば、2年間で約3億人の人口が減少しているということになる。この数字は、李洪志師が言及したパンデミックにより3年で4億人が死亡したという数字と概ね一致している。

また注目すべき事実として、2022年12月に中国共産党が感染症対策を完全に緩和し、中国が再び感染死のピークに入ったとの情報がある。したがって、現在の人口は昨年よりも著しく少なくなっている可能性がある。

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